第2書庫
□2.鋼VS焔・・・?
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脇に抱えられていたエドワードをハボックは肩に担ぐとひらひらと手を振り出て行き、突然の行動にアルフォンスは首を傾げた。
そんな、アルフォンスの姿にホークアイは笑みを浮かべた。
「ハボック少尉に任せていれば大丈夫よ」
「はぁ・・・」
状況を把握出来ないアルフォンスは返事を返す事で精一杯だった。
一方、ハボックはエドワードを抱え、あまり使われていない部屋へと入るとエドワードを窓辺の床へと下ろし待っているよう声を掛けると部屋を出て行った。
暫くして、紙袋を抱えて戻って来たハボックはエドワードに再び声を掛けた。
「お〜い、大将。メシだぞ」
「メシっ!?」
ハボックの言葉にどこか虚ろな目だったエドワードはガバッっと起き上がると目の前に差し出されたホットドッグを手に取り噛ぶり付いた。
これにはハボックも驚いた。
あまりのがっつきぷりに詰まらせそうだなと思い、飲み物を用意していると案の定、エドワードは喉を詰まらせた。
「ほら、あんまがっつくからだ。飲めよ大将」
「っぷは〜。助かったよ、少尉」
「どういたしまして。んで、腹は落ち着いたか?」
「うん、お蔭様で」
「んじゃ、本題に入るか」
「本題?」
ハボックの言葉にエドワードは首を傾げる。
しかし、次の言葉に一気に思考が停止してしまった。
「大将、大佐の事好きだろ?」
「んなッ!?」
「その反応だとホントみたいだな」
エドワードのわかりやすい反応にハボックは笑うと声を無くすエドワードを見つめながら話を進めた。
「大将はどうしたいんだ?」
「どうしたいって・・・」
言葉の意味を掴み倦ねるエドワードは言葉に詰まった。
「今の気持ちをどうしたいか聞いてるんだよ。大佐に会いたくないってのは聞いたけど、何時までも逃げる事は出来ないだろ?」
「・・・・・・」
そんな事はハボックに言われなくともわかっている。
軍の狗である以上、後見人と被後見人の立場のロイと会わないという事は出来ない。
しかし、あんな事があった後に一体どんな顔をしてロイに会えというのだ。
「・・・そんな事・・・・・・少尉に言われなくてもわかってるよ・・・でも、オレ・・・どうしたらいいかわかんなくて・・・」
ハボックはエドワードの言葉を静かに聞き、苦笑を浮かべエドワードの頭を豪快に撫でた。
この行動には流石に驚き声を上げた。
「わっ!いきなり何すんだ!!」
「いや、若いなぁって思ってよ。今から俺、演習なんだけどよ。それに大佐も参加するんだ」
「大佐が?」
エドワードはハボックの言葉に首を傾げた。
あの男が演習に参加するなど初めて聞いた。
何時もデスクワーク姿しか目にしない為、演習など無縁に思っていたのだ。
「まぁ・・・月に一回程度、大佐も参加するだよ。司令部の士気を上げるとか色々な理由があるんだけどな。で、ちょうどこの窓からその演習が見える」
「?」
そういえば、どうしてこんな場所に連れ込まれたのかエドワードは考えもしていなかった。
窓から外を見るとそこはちょうど練兵所になっており、2階という事もあり見渡せるようになっている。
しかし、何故話がそうなるのかわからずエドワードは首を傾げた。
「会いたくないんだろ?大佐に会うまでまだ時間があるし、此処で気持ちを整理したらどうだって言ってんだよ。ただし、あの人感がいいからバレないようにな。んじゃ、そろそろ行かないと大佐に感づかれるから大将また後でな」
ハボックは説明をすると驚くエドワードの肩を軽く叩き部屋を出て行ってしまった。
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