リク消化・過去拍手(古)
□リドル先生とホラー
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相手:リドル先生(連載より)
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『え?何ですか?先生聞こえなかったんですけど』
『ではもう一度言うよ。いいかい?23時になる前に、隣町にある赤い旗の下がった呉服店へ来ること。』
『と、とな―――!?(やっぱ聞こえなきゃよかった!)』
『場所は分かるね?』
『分かるけどどう考えても無理ですよ!!物理的に不可能で―――』
『タクシーにでも乗ればいい。』
そこで、一方的に通話が切られた。
「何という……」
何と言うことだ!!
私は受話器を勢い良く振り下ろし、ホテルの人が見ていたのでそっと置いた。
23時ってあと30分!?無理だ!隣町なんて不可能だ!!
それに、せめて切るときの挨拶ぐらいしなよ!捨て台詞っぽい終わりだったよ!
私は急いでホテルを出て、タクシーを捕まえた。(自腹か?自腹なのか!?)
行き先を告げると、極力急いでくれと哀願した。
***
隣町への道のりは寂しい田舎道だ。
本来ならば「景色が綺麗だー」と癒されるかもしれないけれど、こんなに暗い夜だ。その上雲も厚く月明かりも無いため、何も見えない。粗い土道にゴトゴト揺られる。
ふと、前を見た。
明るいライトに照らされている、
前方に、影が。
―――何だろう。
スピードは、緩まない。
目を凝らす。
あれは……
人―――?
その瞬間、全身に鳥肌が立った。
地面に張り付くように伏せている、人の姿だ。
けれども一向にスピードが緩まない。
この運転手には見えていないのだろうか?
どうしよう、このままじゃ踏んでしまう!
声を掛けようとしたとき―――
目が合った。
倒れているそれが
ガッと首を、こちらに向けたのだ。
「ぁ―――――」
目を見開いた瞬間、
それを踏んだ。
否、踏んだにしては
何の衝撃も音も無かった。
全身に鋭い悪寒が走り、嫌という程鳥肌が立った。
脳裏に焼き付いた、倒れて居た人の視線。
大きく見開かれた目。
慌てて振り返る。暗くて見えないが、何も居ないように思えた。
見間違え、だったのだろうか。
嫌な気分だった。
「ねぇ、運転手さん―――」
前を見た瞬間―――
さっきの目がそこにあった。
血まみれの手をガラスに押し付けて、
張り付いていたのだ。
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身内の実体験を元に。
未だにトラウマです(^p^)