ヘタリア短編
□御届け物
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「兄ちゃん、どうしたの?」
「別にどうもしてねーよ」
「もー……昨日からそればっかり」
目の前でただ黙々と昼食を食べるロヴィーノに、フェリシアーノは困ったように、ヴェー、と呟いた。
兄ちゃんは昨日からおかしい。
凄い勢いで玄関の扉を開いたかと思うと、荒々しく部屋に飛び込んで来た。
ゼエゼエと息を切らし、汗を大量に書きながら。
どうしたのかと聞いてみても、「何でもない」の一点張りで。
しかも何かに捕らわれたようにボーっとしている。顔を青くしながら。
その反応は、ホラー映画化何かを見た後に似ている。
それもとびっきり怖いもの。
本当に、昨日何があったんだろう?
忘れ物をしたとか言って取りに行った時、無理にでも付いて行った方がよかったのかな?
うーんと唸った後、話を換えようと思い出したように切り出した。
「あ、そうだ!兄ちゃん、これ……」
「?」
フェリシアーノは思い出したようにごそごそとポケットを漁って、はい、と自転車の鍵を渡した。
「兄ちゃんのでしょ?」
「あ、これ、どこで……」
「拾ってくれたんだって!―――なまえちゃんが」
「ブーーー!!!」
ロヴィーノは飲んでいたフルーツジュースを吹き出した。
「わ!?兄ちゃん汚―――」
「す、捨てろ!!」
「え!?」
「良いからそんなもん捨てろ!」
「で、でもこれ兄ちゃんの―――ってなんで十字を切ってんの!?」
「ぅわ!近づけんじゃねぇチクショーー!!!」
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続く ぞ!