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□ぼ 僕の彼女事情
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(香芽明 香芽視点)
恋人、なんて初々しいものにも慣れた。
レオン、と弾んだ声で呼ぶ彼が愛しくて仕方がない。手を繋ぎたがる仕草なんかは女より可愛い。
彼のちょっとした我侭にも慣れた。
ゲーセンに寄りたいと駄々こねる彼。かなりの頻度で行くもんだから、飽きないのか?と聞いてみた。すると、一緒にいる時間が増えるから、と照れてうつむいた。素直にデートに誘ってくれればいいのに。彼なりの頑張りという事で仕方ないから付き合ってあげる事にした。
彼の些細な嫉妬にも慣れた。
大鷲と話している時、女子から呼び出しを受けた時、泣きそうな顔で俺を見る。そんな彼をあやすけれどどうにも最近は嫉妬のベクトルが可愛らしいモノとは真逆にひん曲がってしまった。
「痛い…?ねぇ、どうして俺じゃダメなの?」
彼の勘違いと暴力にはまだなれるまで時間がかかりそうだ。