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□彼なりに悩んでいました。
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授業終わりの鐘が鳴る。

はぁ、座学はつらい。早く部活の時間が来ないか、と何度、時計を見直したことか。サッカーがしたい...まるで、どこかのサッカーバカが移った様。

「なぁ、鬼道...。」

「円堂??」

本人登場。円堂が俺の席まで訪れ、何やら疲れきった様子。

「俺、今すんげぇ悩んでんだ。」

予想外の言葉に驚く。悩みごととは無縁のヤツだと思っていた。なんでもサッカーで解決をすることができるのだから。

「悩み...どんなものだ?」

チームメイトが悩んでいるのなら助けてやりたいと思うのは当然のこと。

「おぉ!!!鬼道、聞いてくれるのか!!!」

物凄く嬉しそうな顔で机から身を乗りだす。顔が目の前まできて、俺は近い近い、と手を払う。あぁ、ごめん、と頭をわしゃっとかきながら謝る。そして、実はな?と話を始める。

「俺、好きな人ってゆーの?出来たみたい。」

ポカンとしている今の俺の顔はただの間抜け顔だろう。だって、は?好きな人...?円堂が?凄い興味のある話だが意外すぎて言葉がでない。そして息苦しくなってきた。
円堂は少し距離を取り、下を俯き赤く頬を染める。レアな顔だ。でも円堂にこんな顔させるやつに嫉妬さえ感じる。今の俺は少しおかしい。そのせいか

「それは俺の分野ではないからあまりいいアドバイスができないぞ?で、どんなやつなんだ?」

なんて口走る。俺はいったい何を聞いているのだろう。知ったところで得も何も出てこないと言うのに。

「どんな?んー、いつも一緒にいて、試合・練習なんでも任せろって感じかな?兄妹仲いいし。基本的優しいな...」

真面目に答える円堂も円堂だが。
ま、まさか!!!!いや、そうなのか...でも、該当するのが一人しかいない。

「それはもしかして...春奈か?」
「...え?音無?違うよ!!」

な、何!!!違うって...兄妹で仲がいいって俺と春菜しかいないじゃないか!!!!

「でも、少し近いぜ?」

円堂は、俺の方をチラリと見て顔を赤くする。俺はそんな円堂に何故かドキドキしている。やっぱりおかしい。はぁ、しかし、近いって...いや、あー、あの子か?でも...。

「夕香ちゃんか?」
「な、ちげぇよ!!!遠くなったし。てか、何で年下なんだ?鬼道は俺がアイツと同じにみえるのか!!!」
「いや、それはない。」

やはり違うか。そこまで下の子に走ると犯罪だしな。俺はすまない、と謝り、また考えようとすると、急に彼に抱きつかれる。...え?

「あのさー、鬼道。俺、好きなやついるんだ。」
「だから、それはもう聞いた」
「んでなー、そいつは全然俺の気持ちに気がついてくれねぇの。」
「円堂はちゃんとアピールしているのか?」
「んー、一応。しているつもりなんだけど。」

そんなに頑張っているのか...でも、円堂がアピールしてるとこなんて見たことない。口説いているのか?だったら伝わらないのかもな。

「あ、言葉じゃ分かりにくいとかじゃないか?円堂の国語の評価低いだろ...。態度で示してみてはどうだ?」
「な、なんか傷つく。」
「物は試し。それで頑張ってみろ」

でも、誰だかは知らないがその人の事がホントに愛しいんだろうな。円堂がその人と付き合ったら変わってしまうのか?円堂のことだから...なんて、保証もない。
はぁ、こんなアドバイスしなければよかった、などと今頃後悔している。そして、気付いた...俺は円堂が好きなのだと。なんで今になって気づいてしまったのか。
ため息しか出てこない。

「鬼道!!!!」

名前を呼ばれ、背中に引っ付いている声の主、円堂のほうをみる。

「どうし、ん?」
「鬼道の言う通り態度で示してみた!!!...どうだ?」

キスをされた。こんな教室で堂々と。どう、って。全然気づかなかった自分に羞恥を覚える。それと同時に嬉しさも込み上げる。

「俺で良いのか?」
「バーカ。お前がいいんだよ!!!」

最終確認を取り、俺は円堂のほうへと向き直り、小さく聞こえないくらいの声で、好きだ、と呟く。そしてやっぱり恥ずかしいから腕の中から解放してもらう。
円堂は俺の呟きを聞こえたのか、聞こえてないのかわからないが、少し笑う。

「悩み、解決か?」
「おぅ!!!!」


*はいー、何が書きたかったんだろう。自分でも意味不明です←

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