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□け 血液型の相性バッチリ!*
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血液型の相性バッチリ☆

(速←宮 マッハ視点)

「ねぇ、先輩。これ見てください!!!」

後輩は雑誌を見せてくる。
部活の合間にもずっと読んでいたもので、中身はよくあるファッション誌。彼は俺の肩をバンバン叩いて見るように言う。

「服とか俺、あんまし興味ないんだけど...占い?」
「好きな人との相性を占ってみよう!!!」
「...はぁ。女々しいなぁ。」
「いいでしょう!!!で、先輩の血液型と俺のを見てみたんです。」

俺の血液型がどこから漏れた情報なのか、はともかく。何で俺とお前との診断結果を見なきゃならない?

「ほら!2人は生まれたときから結ばれる運命であり、今の状況は相思相愛でしょう。思いきって声をかけてみましょう。」
「胡散臭い...」
「えー...」

宮坂は俺をなんだと思ってる?女じゃないのに相性なんて占ってどうするんだよ...。風丸ならまだしも。

「そんなこと言ったら俺と同じ血液型のやつなんて腐るほどいるし。そしたら、宮坂は全員とそういう運命ってことだろ?」
「あー、もう。夢がないなぁ。しかも、これは自分の好きな人の血液型限定なんです〜。」
「俺、女じゃないけど。」
「僕も女じゃないですよ?」
「じゃあ、ダメじゃん。」
「ダメなんですか?」

キョトンとした顔をして聞いてきた彼。いや、常識じゃないのか?いや、駄目だって決められていることじゃないけどさぁ...男同士だし、年下だし、色々マズイだろ。俺的に。

「先輩は俺のこと考えられませんか?相思相愛じゃないんですか?」
「いや、だって」
「...先輩は世間体を気にしてます?」

気にしてないと言えば嘘になる。けど、大してそれは問題じゃないと思う。男同士でも俺が好きになるかどうかが問題であるわけで。

「僕は先輩さえいれば他は全て捨てられます。そういう運命だって受け入れられます。」

そこまで宮坂が思うほど俺は大きな存在じゃない。もし俺だったらそんな運命を受け入れられない。宮坂をそこまで好きになれるかわからない。

「女々しい男は嫌いですか?年下のガキは嫌いですか?男だからですか?」

占いとか運命とか信じて女々しいよ。
すぐに感情が溢れるガキだし。
男っていうのを受け止められる気がしない。

けど───。

「絶対なんてことはないと思う。」
「え?」

絶対に彼を受け入れられない、という拒絶はない。

「そんなデメリットだらけのお前を背負うのも悪くない。」
「デメリットって!!!」
「好きになれるかわからない。絶対好きになるって保障はないよ。それでも運命とか占いを信じて試してみる?」
「ッ!!!// いいんですか?超当たりますよ。この占い。」
「どうだろうな?」

─この後輩にはまだ笑っていて欲しいから─

少しだけ付き合ってあげようと思った。優しいですね、と言われた。でも、これは優しさって言わないよね。こんな残酷な行為を優しさ、なんて言わないよね。
彼はその雑誌をキュッと抱きしめて、当たるんですよ、と小さく呟いた。そして綺麗に笑った。

当たってもいいかなって少し思ってしまったのは内緒な?

20130611

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