□どうしようかなぁw
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『っ…ひっくっ…』

ここは昔圭人とよく遊んだ公園。
私は圭人の事わかってあげようと頑張ったけど、結局怒らせてばかりで…
本当…妹として失格だよ…

雨やまないかな…
いっそ雨に打たれてこの悲しみとか全部洗い流してくれたらいいのに…

そう思って遊具のトンネルから抜け出して、夏なのに冷たい雨が降る外へでた。
私、このまま雨と一緒に流れていってしまいたい…





「になっ!!!!!!」

幻聴かな。圭人の声が聞こえてくる気がする。まさか圭人が来てくれるわけないよね。

「になっ」

とたんに目の前が暗くなって、同時に温もりが広がった。
それが圭人に抱きしめられてるなんて気づくのにあまり時間はかからなかった。

『けいっと…?』

私が名前を呼ぶと、さらに抱き締める力が強くなった。

「ごめん…ごめんにな」

何度も謝る圭人。
その声はとても悲しそうで悔しそうで、今にも泣きそうな声だった。

『圭人、よくここがわかったね』

「ここは俺とにながよく遊んだところだから」

圭人覚えてくれてたんだ。嬉しいな。

「にな、お前は俺の最高の妹だよ。
あんなこと言ってごめんな。」

『いいよ。私も圭人は最高のお兄ちゃん…だか…ら…』

《バタッ》

「になっ!?」

私の記憶は途絶えた。
遠くで圭人が私を呼ぶ声がしたような気がする。





















『んっ…………………』

私が目覚めたのは次の日の朝だった。
上には木の板、横にはカーテン。反対側は机とか色々。
自分の部屋だ…

《ガチャ》

「にな、気がついたか?」

お粥を持った宏太兄ちゃんが部屋に入ってきた。

『宏太兄ちゃん、私、どうしたの?』

「あぁ、圭人が見つけたあと熱で倒れたんだよ。圭人が家まで運んできて、お前は今までずっと寝てた。」

『圭人は…?』

「郵便局行ってる。手紙を出すって言ってた」

『そう…』

手紙って私が書いたやつかなぁ。
あー倒れたときなんて覚えてないや。
みんなに心配かけちゃった…

「あ、お粥作ったんだけど食べるか?」

『うん。お腹すいたー』

宏太兄ちゃんからお粥を受け取って小さい土鍋の蓋を開けた。
中には私が好きな卵が混ぜてあるお粥が美味しそうに作られていた。

「じゃあ俺下にいるからなんかあったら呼んで。」

『うん。ありがとう』

私がそう言うと宏太兄ちゃんはにこって笑って部屋を後にした。




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