長編小説

□(仮)劇場版銀魂 夜兎覚醒篇 プロローグ
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プロローグ


「ハァ……、ハァ……」

追っ手は来ないようだ。
ここまで来れば大丈夫そうだ。
無我夢中で走ってきたが、随分と遠いところまで来てしまったようだ。
今は橋の下に身を潜めている。
暫らくはここにいた方がいいかもしれない。

「…どうして、こんなことになっちゃったアルか。」

こうなった原因は自分のせいなのに…。
自分がみんなを巻き込んだくせに、自分だけ逃げてきてしまった。
ただ逃げることしか出来なかった。

「…新八ィ。…銀ちゃぁん。」

自分のせいで新八が傷付いた。
自分のせいで銀時が戦っている。
自分は庇ってもらって、逃がしてもらって…。

「…私がここにいるから。私が夜兎だから…!!」

自分がここにいる限り、きっと奴らはまた襲ってくる。きっとみんなを傷つける。
なら…−

「私、もうここにいちゃいけないアル。元から住む世界が違っただけネ。ただ元の世界に戻るだけ…戻るだけヨ。」

ただ戦場という地獄に。
大丈夫、楽しい思い出が心の中にあるのだから。
きっと耐えていける。

「銀ちゃん…。
もう言うことは出来ないけど、私、銀ちゃんのこと…
大好きだったアル。」

もっと、そばにいたかった。ずっと一緒にいたかった。けど、それももう叶わない。


今までありがとう。
そして、バイバイ。

END
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