長編小説
□第十一話 惚れた女
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「そっちにいたか!?」
「いやっ…!こっちはいなかった…!」
「もう3日も探しているのに、あの娘は見つからないのか…」
「副長達、それでイラついてんだよ…。」
「あぁ、無理もねェよな。
なにしろミツバさん以来だもんなぁ…。」
「あぁ……。」
土方と沖田が銀時のところへ訪ねて、あれから3日間。真選組はというと、捜索を続けるだけで、特に何も動きはなかった。ただ時が過ぎていくだけだった。
「まだ何も情報が掴めねェのか!?
何チンタラしてやがるッ…!?
チッ…!!」
自分でも嫌になるほど、ハイペースでタバコが無くなっていく。
気がつけば灰皿は溢れんばかりになっていた。
「…なにやってんだ、俺達は。
これでも警察って言えんのかよ…。」
一度ならず二度までも、惚れた女くらいも護ることが出来ないなんて…
「ハッ…。
情けねェったらありゃしねー。」
なァ、ミツバ…。
俺ってこんなにも情けねェ奴だったか?
第十一話 惚れた女