短編小説

□つまんないケンカ
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つまんないケンカ


「うぅー…なんかお腹減ったアルぅ。酢昆布もう無いネ。」

グゥ〜…

「もぅダメ…お腹減りすぎて死にそうネ。」

新八はお通ちゃんのライブでいないし、銀ちゃんはどっかに出かけてしまった。銀ちゃんは多分パチンコに行ってしまったと思う。
せめて銀ちゃんがいてくれたら、酢昆布を買ってくれるかもしれないし、何か作ってくれるかもしれないのに…!!

「銀ちゃんのせいアル!!
…ヤケクソになってやる!!もう知らないネ!!」

戸棚にしまってある、銀ちゃんの大好きなチョコレート。食べるなと言われていたけど、そんなの知ったこっちゃない。
私を1人にして、自分だけ楽しいことしてる銀ちゃんが悪いんだから。

ガサ…ゴソ…
もぐもぐ…ごくんっ

「ちょっとはお腹満たされたネ。ふわぁ〜…。
お腹が満たされると、眠くなってくるヨ…。」

ごろんっ

「ちょっとだけ…。」



「ただいまァ…。
おーい、神楽ァ?神楽ちゃあ〜ん?」

シーン…

やっぱ怒ってんのか?
アイツ1人置いてきたしな…。
やっ、でも今日は勝てそうな気がしたんだよ。実際勝てたし。だから悪いと思って、お菓子に換えてきたし。まぁ、お菓子やればちょっとは機嫌が良くなるんじゃねーか?

「おい、神楽ァ。ほれ、お菓子……」

んっ!?

「なっ!!お、俺の隠しチョコが…」

目の前で寝てる奴のそばに、チョコの銀紙が散らかっている。これは俺が内緒に隠していた、大事なチョコ。アイツらがいない時に、食べようと楽しみにしていたチョコだった。

「勝手に食いやがったな。おい、神楽っ!!起きろ!!」
気持ち良さそうに寝ているが、今は起こさなければならない。

「ん〜…。あれ?銀ちゃん、帰ってきたアルか?」
「おぅ。んで神楽ちゃん?この銀紙はなんだ?説明してみろ。」

「あっ……。」
そーいえば私銀ちゃんの大好きなチョコを勝手に食べてしまった。
けど…
「銀ちゃんのチョコ勝手に食べたのは、確かに私が悪いネ!!けど銀ちゃんだって悪いアル!!
1人でパチンコ行って…。 私なんか家に1人で……。」
寂しかったのに…。
あ、思い出したら涙が…。
「おい、神楽…。」
「もう知らないっ!!」
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