短編小説

□甘い嘘
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神「銀ちゃん、私銀ちゃんのこと嫌いアル」


突然のことで何を言われたか理解出来なかった。


銀「!?ちょ、か、神楽ちゃん…?」

神「顔も見たくないネ」


神楽の言葉で酷く落ち込む銀時。
何故いきなりそんなことを言われたのかわからない。


銀「か、神楽ちゃん、銀さん何かした?
あれか?お前が取っておいたチョコ食べちゃったからか?」

神「!銀ちゃん私のチョコ食べたアルか!?
…最低アル」

しまった…
墓穴を掘った…!


銀「わ、悪かったって。
え、じゃあ何が原因なわけ!?俺なんかしましたァ!?」

神「……別に何でもないネ」


拗ねたように言う神楽。
何もしてないのに拗ねられたら、どうしていいか分からない。

銀「…神楽。言ってくんなきゃ分かんねぇだろ?」

神「……の……」

銀「え?ちょっ、聞こえな…」




神「……ただのエイプリルフール、アル。」


フイッとそっぽを向くが、その耳はうっすら赤くなっていた。


そして銀時は瞬時にその言葉の意味を理解した。


銀「…てことは、だ。
"俺のことが大好きでずっと見ていたい"ってことか?」


ニヤリと少し悪そうな顔で神楽を見る。

すると、神楽は慌てて反論した。


神「なっ!だ、大好きとまでは言ってないネ!」


顔を真っ赤に染めながら銀時を睨む。

"大好き"を訂正する辺りが可愛くて仕方がない。


銀「でも"好き"なんだろ?」


そう言いながら神楽の頬に手を当てる。


神「そ、それはっ…!
〜〜〜銀ちゃん、意地悪アルっ!!」


睨んでいた目を伏せて更に顔を赤らめる。

口は悪いし、大食いだし、力のコントロールは出来ない神楽だが、銀時の前では、素直になったり、時には拗ねたり、一生懸命だったり、コロコロ変わる表情や仕草のひとつひとつがとても愛おしく思う。

銀「神楽。
…愛してる。」



神「っ!!…ワ、私もネ」




キミの甘い嘘−…
 

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