長編小説

□第二話 忍びよる影
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あれから万事屋に帰ってきた。
新八はいない。
神楽は帰り道も、帰ってからも喋ろうとしない。
気まずい空気が流れた。
そう思っていたが、それは一瞬で崩れた。

「銀ちゃん、これから私のせいで皆が危険な目に合ってしまう。それだけは絶対に嫌アル。吉原の時だって・・・」

「んなこと考えんな。
あれはお前のせいじゃねェよ。
心配すんな、俺が・・・」

「でもっ!!
きっと、きっとクソ兄貴が・・・神威が絡んでくる。そしたら、いくら銀ちゃんでも・・・」

「バーカ。
俺は負けねェよ、絶対に。それとも、神楽ちゃんは俺よりもあいつ等の方が強いと思ってんの?」

「・・・銀ちゃんが1番強いアル。」

「じゃあ、余計な心配すんな。
俺が絶対守ってやるから。」

「・・・うん。」

やっと落ち着いたのか、この後はいつもの神楽に戻っていて、安心した。

せっかくコイツは居場所を見つけたんだ。
それを高杉やイカれた野郎なんかに壊させやしない。
そう誓って、神楽のそばに寄り添っていた。

この時から、奴らは動いていた。
神楽を、俺らを追いつめるために。
決して脅しではないということを。

それを知るのに大して時間はかからなかった。
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