長編小説

□第四話 別れの時
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「…私を信用してないアルか?」

「まだ、な。
銀時と完全におさらばしたら、

もう俺達の仲間だ。」

「…分かったアル。
明日の朝、またここに来るネ。
今日さよなら言いに行くアル。」

「夜はどうするんだ。」

「ちょっと…1人になりたいアル。だから夜は散歩でもするネ。」

「そうか、逃げんなよ。
まぁ、もう俺からは逃げられねェがな。ククク。
明日を楽しみにしている。」

「わ、わかってるネ!!
…じゃあナ!!」

ダッ―

高杉の言葉が重くのしかかり、その場にいられなくなった神楽は跳び出した。
早く銀時に別れを告げないと自分の決心が鈍ってしまいそうで、壊れそうで、必死に走った。

気づけばもう陽は沈み、綺麗な月が出ていた。
万事屋に着いた神楽はなかなか戸を開けることが出来なかった。
これを開けてしまえば、どうなるだろうと、今更ながら思った。
戸に手を掛けるが、なかなか気が進まない。すると、

スッ―

「どーこ行ってたんだ、あァ?
もう夜ですけど。9時過ぎですけど。

…ハァ、まあいいから早く中入れ。」

クルッと背を見せた銀時に一瞬の内に神楽が動いた。

―ギュッ―

「ッ!!」
「……。」

後ろから抱きついてきた神楽に、さすがに銀時も驚いた。
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