書室

□家庭教師ヒットマンパロをアビスでやってみた@
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標的1 ダアトからやってきたアイツ

ここは聖地ダアト。
漆黒の夜空に、金色に輝く満月。
風は柔らかく、心地よい。そんな夜の事だった。

酒場では、男達が仕事の事や気になっている女性の話、様々な話で盛り上がっていた。
そんな中、酒場に一人の少年がやってきた。
騒がしかった酒場はその少年が来たとたん、まるでお通夜のように静まりかえってしまった。
その少年は若緑色の髪と瞳で、薄黄緑色のゆったりとした服を着ていた。
女の子ともみられる顔つきで、その表情は大人にも劣らない堂々とした顔だった。
少年は真っ直ぐにカウンターに座った。
「マスター、すみませんがミルクをお願いします。」少年の声は柔らかく、優しいものだった。
「はっ、はいっ!ただ今ご用意いたします、イオン様!!」
少年の名はイオンというらしい。
マスターは急いでミルクをイオンの前にだした。
イオンはにっこりと笑って、ミルクを飲み始めた。
イオンがちょうどミルクを飲み終えた頃を見計らって、酒場で酒を飲んでいたある男が恐る恐る尋ねた。「イオン様。」
「はい、何でしょう?」
「イオン様ともあろう方が、どうしてこのような場所に…?」
「いえ、ちょっと遠出をするもので少し寄っただけなのですが。」
「遠出…?」
「はい、場所は……」

キムラスカ王国―――。
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