名探偵コナン短編集
□警視庁特命係
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「よっ!亀山、いる?」
『薫ちゃんっ、遊びに来たよっ!!』
ここは警視庁生活安全課組織犯罪対策部組織犯罪対策5課にある特命係部屋。
警察庁警備局警備企画課総合情報分析室の室長である行平夏樹が従兄妹の真幸を連れてやって来た。
「夏樹っ!?また来たのかよ?あ、真幸ちゃんは、いつでも大歓迎っ!!」
「いらっしゃい。夏樹君」
特命係所属の亀山薫は、夏樹の顔を見るなりげ減そうな顔をする。夏樹の後ろにいた真幸には笑顔で出迎えるが・・・。
「右京さん、どうも。亀山、俺と真幸で対応が全然違うぞ?」
「何で優しくしなくちゃいけない?お前への対応は、これで十分」
「あー、そうかよ・・・じゃ、よろしく」
亀山薫と夏樹は同い年で警察学校の悪友。部署は違えど、度々連絡し合い呑んでいるそうだ。夏樹は、亀山の言葉に呆れながら特命係を去っていく。
「さてと、真幸さん。今日は何します?」
『んー、あ、そうそう。今日来るんでしょう。新しい人?』
「おや、情報が速いですねぇ。彼ならもうすぐ来るでしょう」
「あぁ。新しい奴ね・・・」
『【か】で始まって【る】で終わる人だねー』
真幸は右京が入れた紅茶を、亀山はコーヒーを、右京自身はカップに紅茶を注ぎながら、各々寛ぐ。
「「ん?/はい?」」
『え?分からないの?【か】で始まって【る】で終わる人っ!!』
「ま、真幸さん、何が【か】で始まって【る】で終わる・・・とは?」
真幸の発言に亀山と右京は手を止めて、彼女を見る。
『えぇっ!?右京さん、分からないの?名前だよ、名前っ!!』
固まる2人に驚き、説明する真幸。
「名前・・・?」
『だからさぁー、【亀山薫】も【神戸尊】も【か】で始まって【る】で終わってるよ?右京さんの事だから人選に法則でもあるのかと思ってたんだけど・・・』
彼女の説明を受けても疑問符を頭の上に浮かべる亀山。真幸はイライラしたようにホワイトボードに亀山と神戸の名前を書き、説明。
「あぁ、法則性は、ありませんよ。偶然ーー」
真幸の説明に納得した右京はカップに紅茶を注ぎ、一口啜る。
そこへ、男性がダンボール箱を抱えてやって来た。そして、こう告げた・・・。
「おはようございます!本日より配属されました【冠城 亘】です」
『あ、ビンゴー!!』
「マジ・・・」
「ブッ!?」
真幸は自分の読みが当たり、嬉しそうに声を上げ、亀山は冠城を見て固まり、右京は驚きのあまり飲み込めなかった紅茶を吐き出した・・・。