学園アリス

□第1話
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 蜜柑が正式入学して2週間後、またもや転校生が・・・。腰までのプラチナブロンドに金色の瞳を持つ少女が鳴海の横に立っていた。色白でフランス人形のように綺麗な子だった。ざわめく教室・・・。

「えっと・・・。転校生の———」

 鳴海が口を開き説明しようとした、その時

「「し、真珠っ!?」」

 蜜柑と蛍の声がかなり、彼の隣に居る少女の名前を呼んだ。

「あれ?蜜柑ちゃん達、知り合いっ!?」

「うちらの親友やっ!!」

「だって・・・?知り合い、いないって言ってたよね?真珠ちゃん———っていないっ!?」

『煩いですよ。鳴海先生?』

「あぁっ!!いつの間に・・・」

 鳴海がしゃっべいる間に瞬間移動して蜜柑達の所へ現れた。

「真珠。何で来たん?」

『んー、バレた』

「ば、バレた?」

『そうよ。私のアリス【瞬間移動】と【結界】がね』

 真珠が蜜柑に来た理由を話していると鳴海から声がかかる。

「真珠ちゃん?自己紹介を・・・」

『九條真珠、10歳。アリスはさっきも言った通り【瞬間移動】と【結界】。星階級?さぁ———』

 真珠はため息をつくと、自己紹介をする。正田から星階級について尋ねられ、鳴海をちらりと見る。

「あ、星階級はダブルね。はい」

『どうも・・・』

 鳴海からバッジを受け取り、委員長に習い制服の襟に付けた。肩にかかった長い髪をバサリと払い退ける。

「あ、真珠ちゃん。これで結んどいて」

 真珠の仕草を見て思い出したのか、ポケットから髪留めを出し、彼女に渡す鳴海。

『・・・何、これ?』

 髪留めを怪訝そうに見つめる真珠は彼に尋ねる。

「アリスを制御するアイテム。常に身に付けておくように」

『ふーん。蜜柑、結んで?』

 鳴海の説明を聞き、髪留めを一瞥する。蜜柑に渡し、背中を向けた。結ぶのは蜜柑の仕事らしい。

「はーい。ツイン?ポニテ?」

『ツイン』

「真珠。また髪伸びたんとちやう?」
 
 蜜柑は嫌な顔もせず、真珠の髪をツインテールにしていく。  

『そうかしら?蛍、後で校内案内して?』

「えぇ、いいわよ。貴方、パートナーは?」

『パートナー?』

 蜜柑に髪を結わえてもらいながら蛍と話をする真珠。パートナーという言葉に、?を浮かべる。そこまでは鳴海に聞いていなかった。彼を見つめる。

「真珠ちゃんのパートナーは、彼だよ。乃木ルカ君。ルカ君よろしくね?」

『乃木君?』

 鳴海が指差す席にルカと棗が・・・。2人を真珠の瞳が捉える。

「あぁ・・・。九條、よろしく」

『こちらこそ』

「ほい、出来た。うちもおるで。めっちゃ嫌な奴やけど。日向棗って言うねん」

『ありがとう。乃木君の隣に居る彼かしら?』

 真珠の金色の瞳がルカから棗に移る。棗は、ちらりと真珠を見ただけで視線を漫画に戻す。

「正解や、真珠」

『蜜柑、重いんだけど・・・』

「えぇやん、別に」

「蜜柑ばっかり狡い・・・。じゃ、私も」

『蛍・・・』

 左右から2人に抱き付かれる真珠は、苦笑するだけ。3人だけの世界が出来上がり、遠巻きに見つめる鳴海達であった・・・。
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