名探偵コナン
□第2話
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「へ?僕に似た人?」
「うん!すごく似てたんだからっ!!」
「へー(どうせ、キッドだろう・・・)」
昨日の出来事を興奮して話す梓にコナンは冷静にオレンジジュースをストローで吸い上げる。
「ねぇ、安室さんも見ましたよね?」
「えぇ、ちらっとですけど・・・はい、ハムサンド」
「ありがとう。安室さん」
梓の言葉にハムサンドの皿をコナンの前に置き、話に加わる安室。彼は、かがんでコナンの顔をじっと見る。
「へ、へぇ・・・そ、そんなに似てたんだ・・・(顔近ぇ・・・)」
「でも、メガネはかけてなかったよ」
「あぁっ!!僕のメガネ・・・」
顔を近付けた安室はコナンのメガネを取るとコナンが取れないようにメガネを持った手を遠ざける。
「小学生相手に何してんだよ。透」
暫くコナンで遊んでいると、カランコロンと音がして喫茶店へ薄茶色の髪を持った男性が買い物袋を両手に提げて入って来た。彼は1つをカウンタにもう1つを安室に渡した。安室が持っていたメガネを引っ手繰るとコナンへ返した。
「はい、もう取られるなよ」
「うん。ありがとう・・・えっと・・・」
「あぁ、初めまして。【東 薫】だ」
「よろしく、薫さん」
よろしくと手を差し出す。コナンは薫の手を取り挨拶を交わした。彼は挨拶が済むと奥へ入っていた。コナンは彼の事を安室に聴く。
「ねぇ、安室さん。薫さんって?」
「あぁ。僕の高校時代の友人さ」
「あ、そう・・・」
安室とコナンが話していると、お客さんに呼ばれた。安室は、オーダーを取りに行ってしまう。そこへ、コナンの前にアイスコーヒーがコトンっと音を立てて置かれた。置いたのは薫。
「あ・・・と・・・か、薫さん、僕頼んでっ・・・」
「飲み物なしで食べる気か?喉に詰まる。それに・・・」
薫の行動に驚いたコナンは、彼の方へ向くと頼んでないと言おうとした。が、彼の鋭い目線で口を閉ざしてしまう。
「それに・・・?」
薫は、冷や汗をダラダラと出して固まるコナン耳元で囁いた。
「≪お前、只の小学生じゃないだろ?東の高校生探偵、工藤新一君≫」
「っ!?やだなぁ・・・何言ってるか僕っ・・・」
「・・・・・」
「「・・・・」」
薫の言葉に驚くコナン。もいつものように子供ふりをして切り抜けようとしたが、彼の無言の圧が降りかかる。2人の間に暫く沈黙が流れるのであった・・・。
「≪大丈夫。透には言わないから、安心しな≫」
「薫さんって何者・・・?」
「さぁな、少年の想像に任せるさ」
引き攣った笑いを浮かべるコナンの耳元で囁く薫。彼の囁いた言葉にドキッとするコナン。正体を突き止めようとするもさらりとかわされた・・・。