名探偵コナン

□第7話
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 伊豆高原での出来事から、1か月が経った頃、真幸は、よく1人でポアロに訪れるようになった。今日もまた、学校帰りに立ち寄り、安室特性のサンドイッチと紅茶を楽しんでいる。新と翔は部活の遠征で不在。

すると、ポアロのドアベルが鳴り、蘭と園子が入って来た。どうやら試験勉強をしに来たらしく、奥の席でやり始めた。

 しかし、2時間もすると飽きて来たのか話題が勉強ではなく恋バナになった。しばらく恋バナに花を咲かしていたが、園子が何を思ったのか、真幸に話を振ってきた。

「そういえば、真幸ちゃんは居ないの?学校で好きな人とか?」

「ちょと、真幸ちゃんまだ中学生だよ。何でも恋バナなんて。ごめんね」

『いいえ。学校で好きな人は、居ませんよ』

 園子の意地悪に蘭は慌てて止めて謝ったが、真幸は顔色を変えず答えた。

「でも、真幸ちゃんぐらいの可愛さなら、男子に告白されまくりじゃない?私が男子なら即するわ!!」

『すみません。お断りします』

「あや・・・振られた。ねぇ、安室さんなんか、どう?イケメンで料理上手で頭脳明晰な人、なかなか居ないわよ?」

「そ、園子さん、褒めて頂きありがとうございます。でも、真幸ちゃんとは、15も歳が離れてますし。それに、三十路手前のおじさんは、嫌でしょう?」

「嫌、恋愛に年齢の差なんて関係ないわよ!2人なら美男美女カプッルで誰も差なんて分からないって!!ねっ、蘭もそう思うでしょ?!」

「いや、うん・・・」

 園子の熱弁さに安室も蘭もタジタジになる。

『安室さん』

「はい?」

『ごめんなさい』

「それは、告白してたらの返事かい?」

 真幸は、安室の目を真っ直ぐ見て謝罪した。どうやら告白以前で断られ、彼の顔から少し笑顔が消えたが、次の言葉で蘭達と共に奈落の底に突き落とされる・・・。

『えぇ。それに私、彼氏いえ、婚約者が居ますから』

「「「・・・・・。えぇぇっ!?こ、婚約者ぁ!?」」」

 突然のカミングアウトに驚いて蘭と園子はソファから立ち上がり、安室に至っては手からお盆が滑り落ちたのであった・・・。

 かなりショックだったのか、しばらく放心状態の3人。そんな3人を残し、真幸は、スマホで誰かと話し、梓にもう1人来ることを伝え、残りの紅茶を優雅に飲み干す。

「(聴いてないぞ・・・。行平の奴、明日朝イチで問い詰めてやる!!)」

 安室は放心状態から抜け出し、今は居ない同僚に闘争心を燃やした。そして、その時の彼の背後には、メラメラと炎が見えたと梓から、のちに語られる事になる。

 一方、所離れた警察庁の一室では寒さに震える者が1人居たとか居なかったとか・・・。

「ヒッ!?(なぜか、急に寒気が・・・)」
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