名探偵コナン
□第13話
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その日の夕方、真人は【真幸組フロア】に帰宅。あれから【公安組フロア】には真幸達を入れないようにしていた。家具の配置は一緒だが、壁紙の色が違いがあるため真幸のフラッシュバックは、起きていない。
「ただいま」
「お帰りなさいませ、真人様」
「ん。真幸は?」
玄関で出迎えてくれたスノーへ鞄を渡し、真幸の様子を聞く。
「ノアとお部屋で勉強されてます」
「勉強する気なったかっ!!」
「えぇ。登校される日も近いかも知れません」
「そうか・・・。良かった・・・」
ダイニングからは、そう遠くないウォークインクローゼットへネクタイを外しながら入っていく。
「真幸様は快復されつつありますが、彼の方は如何ですか?謹慎が解けた頃でしょう」
「スノー・・・・。お前の、人を上げて落とすの好きだな」
「決してしてる訳ではなく、気になるんですよ。お嬢様を助けるとはいえ、彼にとっては、嫌な事には変わりはないでしょうから」
「まぁな、ジンだし?俺も声だけでビビったし。実物に会ったら、どうなんだろう?」
「ジンという男。私に良く似ているそうですよ。瞳の色は、違いますが」
「うひゃー、ヤバそー」
着替えを済ませ、ダイニングへと入りスノーの手伝いをする真人。肉に下味を付け、フライパンで焼く。そこへ・・・。
『何がヤバそーなの?』
真人は、真幸の声にドキッとして振り向く。肉は放置した。
「お、真幸。勉強は?」
焦げていく肉たち。スノーがフライパンを見て声を上げる。
「真人様、お肉焦げてます」
「おぉ。それ、ヤバそーじゃなくて失敗じゃね?」
スノーの声に真幸と一緒にいるノアが笑いながらキッチンへ声をかける。
「多少は大丈夫です。ノアの分ですから」
「は?俺が食うの?真人の焦がした肉っ!」
「大丈夫だろ?ノアだし」
「何を根拠に?」
「何ってお前の身体だから」
『いわゆる、何食べても問題ないって事じゃない?良かったね、ノア君。お兄ちゃんの愛がこもってるよ。ちょと、苦くて重いけど』
そう言うと真幸は、リビングのソファーへ座りファッション雑誌を読み出した。
彼女の言動に一瞬、静かになる3人。その言葉に笑い出す真人とスノー。
「あはは!真幸、上手い事言うじゃねぇーか。流石、俺の妹っ!!」
「フ・ククク・・・」
腹を抱えてて笑う2人をノアは顔を赤くさせ睨むしかなかった・・・。