名探偵コナン

□第18話
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引き続き、ティータイムを楽しんでいるとラウンジの外が何やら騒がしい。一体、何があったのか?真幸は、スノーに尋ねる。

『何があったの?』

「従業員の1人が休みを利用してゲレンデを滑っているところ、行方が分からなくなった模様です」

『何ですって!?』

「捜索隊はっ!?」

「今から手配をっ」

「警察へは?」

「いえ、まだ・・・」

『スノー、従業員の情報を。それと、全執事に伝えなさい。全生徒の安全を確認し、ホテル内で待機。警察への連絡はなし。まだ、オープン前のホテル。問題を起こすと危ないわ』

「畏まりました。情報は、こちらです」

従業員の行方不明の知らせに騒然となるラウンジ。真幸は、スノーに指示を出す。彼はパソコンを真幸に向けると、ワイヤレスマイクで全執事へ指示を出した。

『GPSでの居場所確認は?』

「この林の中みたいだぜ」

「ここから、かなり距離がある。こんな林の中じゃ、移動している可能性もあるな・・・」

「これから日没に入るよ。タイムリミットは、4時間後の17時ジャスト」

翔と新は、パソコンからGPSの位置情報を探り当て、居場所を特定する。更に日没から逆算し、捜索活動のタイムリミットを割り当てる。

『いいえ、16時ね。今日はお昼前から風が強く吹いてたわ。天気予報では、夕方から雨。降らないうちに見つけ出さないと・・・。スノー!!』

「はい、お嬢様」

『全SPと捜索が出来る従業員に捜索の指示を。それが済んだら此処で新と待機。翔、行くわよ』

真幸は天気予報も視野に入れ、捜索活動を短くする。スノーに指示を出すと、翔と一緒にゲレンデへの出入り口に繋がっている通路へ足を向ける。

「お嬢様、まさか捜索に?」

『えぇ。じゃあ、後頼んだ』

真幸の行動にスノーは、驚く。しかし、彼女は振り向かずに答え、走り出した。金髪をポニーテールに結わえ大丈夫素顔のままで・・・。スノーは、近くにいたSPに2人の後を追うよう指示し、主人の命令の元、動き出した。

『翔は、あっちから探して!!』

「了解」

ホテルからゲレンデへの出入り口で真幸と翔は、スノボーを携えると二手に分かれる。

真幸は、サングラスをかけると駆け出した。あまりにもスピードを出していた為、前方から人が歩いて来るのに気がつかなかった。

『きゃっ』

「おっと・・・・・大丈夫?」

男性とぶつかり、彼の方へ倒れそうになるが、受け止めてくれたようだ。頭上から降ってきた男性の声は、真幸が聞き慣れた声だった。

『(え・・・この声・・・まさか・・・)』

「怪我は?何処か打ってない?頭とか?」

中々、動こうとしない真幸に心配して声をかける男性。真幸が恐る恐る顔を上げ、彼を見る。

『っ?!(ふ、降谷さんっ!?)』

「!?き、君」

真幸の瞳が驚きで大きく見開いたと同時にぶつかった男性・降谷零も真幸の瞳の色を見て驚く。薄いピンクのサングラス越しにアースブルーの瞳は、はっきりと見えた。

『(コンタクトレンズ入れてない!!ばれた!?)す、すみませんでしたっ!!大丈夫ですのでっ!失礼します!!』

「あ、待ちなさいっ!!」

真幸は知らないふりをし、謝罪すると林の方へと駆け出す。零も追いかけ手を伸ばす。

「止まれっ!!君は一体、誰だ?・・・なっ!?」

急斜面に出ると、一旦足を止める。零が彼女の腕を掴もうとした瞬間、スノーに乗って滑り出す。捕まえる寸前の彼の手は宙を舞う。

「くそッ!!・・・君は、僕の妹・真幸なのか・・・」

滑って行く背中を目に焼き付ける零。金髪をポニーテールに結わえ、アースブルーの瞳を持つ彼女は、父親との写真に写っている当時3歳の妹と瓜二つだった。零は暫く佇んでいたが、仕事の為、その場を離れてた。その仕事は【バーボン】での仕事。

その後、真幸とSPの協力の元、行方がわからなくなっていた従業員は、約2時間後に無事、保護・救出された。

真幸達のスキー合宿は、この後2日間の北海道観光をし、無事に終わりを告げた・・・。
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