名探偵コナン

□第19話
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 零は真幸から出された答えに、暫くの間放心状態だったが、何とかポアロでの仕事を続けた。いつもの笑顔が少なかったが・・・。夜、帰宅。この日、1日中ポアロだった事が救いだった。

「ふぅー。あ、プレゼント・・・」

 食事を済ませ、お風呂から出たところでリビングに置かれた紙袋に目が留まる。真幸からのクリスマスプレゼント。

 中を見ると2つあり、ピンクのリボンが掛けられた小さな箱と水色のリボンが掛けられた長細い箱。安室用と降谷用なのか定かではないが・・・。

 まずピンクのリボンが掛けられた箱から空ける。中身はキーケース。零の愛車は白。それに合わしたのか白を基調としたデザインで碧い宝石が所々に散りばめられている。中を開けると鍵を付けるフックが数個付いており、フックの反対側には中が見えるカード入れが付いており、閉じれば中は見えないようになっている。

「すごいなぁ・・・。あ、そうだ」

 零はマジマジとキーケースを見つめる。中のカード入れだが、彼はそこに写真を入れて眺めた。父親の透と妹の写真だった・・・。

 次に水色のリボンが掛けられた長細い箱をあける。中身はネクタイ。紺色の生地に紫と水色が斜めに交互に入っている。ネクタイにはもうピンが刺さっていた。ピンの中央に四つ葉のクローバーの様に4つの宝石が寄り添っている。宝石はアメジスト、サファイア、オパール、パールだ。全て降谷家の誕生石。

 アメジストが誕生石なのは2月、母・恵の誕生石。サファイアが誕生石なのは9月、父・透の誕生石。オパールが誕生石なのは10月、零の誕生石。最後に、パールが誕生石なのは6月、妹・真幸の誕生石。

「誕生石。なんだ、最初から踊らされていたのか?君の手のひらで・・・。なぁ、真幸ちゃん・・・」

 ネクタイピンを眺め、今は遠くへ行った真幸へ語りかけるように呟いた。零は、プレゼントの箱を入れようと紙袋を覗くと手紙が一通入っていた。手紙を開くと綺麗な字で書かれていた。

[降谷零様。

 突然このような形で貴方の前から居なくなったことを許して下さい。貴方と少しの間でしたが、過ごした日々は楽しく日本を離れる事を考えらませんでした。でも、あの日貴方に素顔を見られた事は私の不注意でした。

 貴方とは、友人の義妹として接することが貴方の傍にいることが出来る唯一の方法で、たとえ妹としていることが出来なくても嬉しかったです。

 貴方の抱えている組織が破滅し、日本での安全が確認でき次第、また貴方に必ず逢いに行きます。それまで、どうかお身体を大切にして下さい。

行平真幸]

 零は手紙を読むとクシャッと握り締めると頭を抱えた。また、明日からは多忙な日々が待っている。真幸の言う通り、まずは組織の壊滅が先である。

翌日、零は真人達と一緒に壊滅への準備へと取り掛かった・・・。

「真人、行くぞ」

「あぁ、いつでも良いぜ。零」


その1年後、見事、黒の組織の壊滅に成功した。影にはFBIやCIA、M5、M6等の世界中からの国家組織の働きがあったとも言われているが、真相は、誰も知らない・・・。


   
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