名探偵コナン

□第20話
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組織壊滅後の年が明けて2カ月の3月某日。警視庁の刑事課へ続く休憩室で伊達と松田、萩原の3人は、自分達を助けてくれた女の子について話していた。その子の特徴が全て一致し、同一人物ではないかと。

「でもさ、名前知らないんだよね」

「伊達が一番近いじゃん。年月としてはさ?高木君に聴いたんだろ?名前」

「それがさ。病院着いたら家族さんが居たらしくて引き渡したらしい。名前は教えてくれなかったそうだ」

「えー?ヤバイ家庭とか?」

「そうは見えなかったけどな・・・」

「そういやさ、松田。観覧車の中でその子のこと、呼んでたよね?」

「あー、名前教えてくれねーから、適当に呼んだ」

松田は萩原の問いに対し、腕を伸ばしてあくびをしながら答えた。

「適当って、何だよ。・・・で、ちなみに何て呼んだんだ?」

松田の返事に吹き出す伊達。

「あー、何だっけ?・・・」

松田は、観覧車での出来事を懸命に思い出していた。そこへ同じ刑事課の2人が通りかかる。

「お嬢さん、行くぞー?」

『あのさぁ、私要らなくない?右京さんと亘さんいるでしょ。その2人に手伝ってもらえば?そもそも捜査権のない特命係にいつも助けられているんだから!!』

「それがさ、居ないんだよねー」

『は?居ない?じゃあ、私関係ないよ。2人が居ない特命係に用はないんで』

刑事2人にタメ口で喋る少女の声が聞こえる。じゃあと手を振り、伊丹達に背を向けて歩き出す。しかし、彼女の腕を掴んで、行く手を阻む。

「俺らは、お嬢さんに用がある。芹沢」

「はーい。まぁ、今日もよろしく!これ、モロゾフのプリンとエコルセだよ。これ食べて、事件解決してね」

休憩室にいる3人は、ドアの影から様子を伺う。伊達と同じ刑事課の伊丹と彼の後輩の芹沢。

芹沢は、彼女にお菓子の入った紙袋を渡す。今日もという口振りからいつも事件解決の協力を頼んでいるようだ。

「んじゃ、行くか」

『は?行くって何処?そして抱き上げないで〜!!』

「もちろん、特命係。今日は貸し切りだぞ。お嬢さん、喜べ」

伊丹は軽々と少女を抱き上げると、歩き始める。彼の後ろを芹沢が事件の資料を持って付いて行く。向かうは無人の特命係。

伊達達の隣を通り過ぎる伊丹達。伊丹に抱き上げられた少女に目を向けると・・・。

金髪にアースブルーの瞳を持つ少女。まさに伊達達を助けてくれた女の子に特徴が似ていた。彼らは、目配せすると、伊丹達を追いかけて行った・・・。
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