名探偵コナン短編集

□警察学校組救済
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 萩原が救済された4年後。松田は、刑事課へ転属。遊園地に爆弾を仕掛けたという一報が警察へ入る。

 彼は、佐藤と一足早く優辺地に到着。処理班はまだ到着しない。時間だけが刻一刻と過ぎていく。

「チッ、仕方ねぇ」

 松田はそう言うと、観覧車へ向かう。佐藤の制止の声を聴かずに・・・。

「よっと・・・。これか・・・久しぶりだな」

 ゴンドラに乗り込み、爆弾を見つける。4年前と同じものだ。 

『やっと来ましたか。私もお久しぶりですね、松田さん?』

 突然聴こえた少女の声に振り向く松田。そこには、4年前の女の子が平然と座っていた・・・。
ニコリと笑う彼女の顔が重なる。

「どうして・・・お前が」

『話は後。早く解体して下さいな。2人して死ぬ訳にはいけませんから』

 驚いている松田を無視し、指示を出す少女。仕方なく指示に従って解体していく松田は彼女に話しかける。

「お前、4年前の【女の子】か?」

『そうよ』

「あの後、お前は何処にいた?あの路地は行き止まりだったはず」

『隠れる場所なんて一か所しかありませんでしたが』

「あのテナントか?」

『正解。あ、やっぱり出ましたか・・・』

「爆発3秒前にもう一か所の在りかが印字されるっ!?・・・」

『落ち着いて』

「落ち着いてられるかっ!?」

 4年前の事を話していると文章が提示された。その文章に慌てる松田に対し冷静になる少女。そこへ、携帯電話の着信音が。

『はい。あぁ、見つかった?それは、ご苦労様・・・。へ?あぁ、居ますよ。松原さん、お電話です』

 少女は電話に出て相手と通話する。暫くすると携帯電話を松田へ向けた。ご丁寧にスピーカーだ。

「≪松田か?もう1つの爆弾は解体した。お前も、早く済ませろ≫」

「萩原っ!?」

『だという事ですので、さっさと解体して下さい』

「っ!?・・・(降谷・・・?)分かった」

 携帯電話から萩原の声が聴こえ、驚く松田。彼を見据え、解体の指示を出す少女の眼は4年前の面影はなかった。代わりに、ある男性の顔が重なる。

 松田が解体している後ろで、少女は椅子に腰かけ通話をしている。

『・・・で、犯人は捕まった?・・・それはご苦労様。ちゃんと撒いた?じゃ、そのまま待機で。私も降りたら行くから』

「解体し終えたぞ。お嬢さん?」

『フッ、【お嬢さん】か・・・』

 爆弾を解体し終え、松田と少女は向かい合う。少女の名前が分からない以上、そう呼ぶしかない。ゴンドラは徐々に地上へ向かって下りていく。

「お前の名前が分からないからな。それとも教えてくるのか?」

『いいえ。1度きりの出会いで名前を晒す程、馬鹿じゃありませんから』

「それもそうだが、俺とは2度目。それに警察官には言っておいた方が後々楽だろ?」

『それでも教えません』

「ハハ・・・頑固だな」

『警戒心が強いと言って下さい』

「物は言いようだな。しかし、こうなった以上は一緒に来てもらうぜ」

 ゴンドラがもう少しで地上へ着くという所で
松田の携帯電話が鳴る。通話の相手は萩原。

「≪松田っ!!まだ、さっきの子と居るか?≫」

「あぁ」
  
「≪その子を拘束≫」 

『すみませんが、それは無理ですね。じゃ、失礼します。また、お会いしましょう』

 松田の携帯電話を奪うと萩原に伝え、通話を切る。同時にゴンドラが地上へ着きドアが開く。少女は降りる瞬間、松田へ振り向き、こういった・・・。

『じゃぁ、またね!松田さん・・・』


 真幸、11歳。まだ素顔のまま・・・。
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