名探偵コナン

□第8話
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翌日、零達が6時に指定された場所へ入ると、真人が席に着き、朝食を食べていた。ご飯に味噌汁、焼き魚にほうれん草のお浸し、香の物が並んだ旅館並みの朝食。

「お、おはよう。零達、来たぞ」

零達が席に着くと同時に新と翔が挨拶と共に朝食を運んで来た。

「あ、ありがとう」

「どういたしまして」

2人は、食べると美味しいと絶賛した。

「だとよ。真幸?」

『え、あー、それは良かったです。おはようございます』

真人の声にキッチンから反応があり、真幸が現れた。しかし、忙しいのか、直ぐに引っ込んでしまう。

真人によると今日の朝食当番は、真幸と新がメインで動き翔と夏樹がサブらしい。自分達が帰れない時は、真幸達自身のフロアで食事を取る。

話していると、キッチンから真幸の声が上がる。誰か彼女の邪魔をしているらしい。

『あ、ノア君。ちょと邪魔!そして、私のマグ返して!!』

「あ?ヤダね」

『もうー!ユキ君、助けてよー!?』

「ハイハイ・・・。ノア、私のお嬢様に意地悪しないで下さい」

「は?俺のお嬢でもあるが」

『もうー、2人共邪魔よ。お願いだから朝食食べて!!』

真幸は、執事である2人を零達とは反対側から押し出す。零と景光は、お嬢様という言葉に飲んでいた味噌汁を吹きそうになる。

「「お嬢様?」」

「真幸専属の執事」

「お前ん家、何してんだ?」

「んー、秘密」

2人の驚いた声に真人は、澄ました顔で食後のコーヒーを飲んでいた・・・。

粗方、食事が終わり、零達も食後のコーヒーを飲んでいると、真幸がおにぎりとお茶を載せたお盆を手に零達から少し離れた机に向かい、おにぎりを食べながらパソコンを操作する。もちろん、左手で。

しばらくすると、パソコンで誰かと話し始めた。彼女の顔は少し綻んで、楽しそうに会話してる。会話は、ドイツ語らしい。

『お兄ちゃん、パパが話あるんだって』

そう言うと彼女は真人にワイヤレスマイクを渡して何処かへ消えてた。真人は、受け取ると話し始めたが、相槌を打つだけ。しばらくすると、聞き取れなかったのか、真幸を探す。

『何?』

時計を付けていた真幸を見つけると真人は、ワイヤレスマイクを返した。どうやら親父が怒っているらしく、ドイツ語の為聞き取れないと言う。

真幸は、兄に呆れながらもパソコンへ再び向かった。

『あー、分かった・・・。お兄ちゃん、この前さ、フェラーリ壊したでしょ?』

「ん、ちょとな 」

『修理代金の請求書がパパのところに来てるんだって。それで怒ってるみたい』

「幾らだ?」

真幸は、兄に手のひらを見せる。

「50万か。払える」

『違うわよ。0が一つ足りない』

「「(0が足りない・・・。500万っ?!)」

「500万っ!?」

50万なら払えると喜んだのもつかの間、500万の支払いに奈落の底へ突き落とされた真人。

『そうよ。で、どうするの?』

「へー、修理代金500万か!真人、クラウンのアスリート買えるぜ?」

「見栄張って、外車買うからよ。国産車にすれば良かったのに」

「外車のパーツは取り寄せだから、修理代金高いよね」

「俺、知らねーぞ」

「「(こ、国産車で良かったぁ〜)」

真幸と春樹達に散々言われる真人。零達は、心から国産車である事を喜ぶ。ちなみ、景光の愛車は日産のブルーバード。

『私も知らないーっと。新、翔、出るよ!』

落ち込んでる兄を放置し、新達に声をかけて登校の準備をする。3人揃った所で、零達にも声をかけて玄関へ。

『あ、お兄ちゃん』

「うん・・・?」

靴を履き終え、兄に向き直る。真人は、まだショックを受けている模様・・・。

『パパからね。次壊したら、フェラーリ没収だって!じゃあ、行ってきまーす!』

「っ!?没収だとぉ〜!!」

真幸は、笑顔で兄に爆弾を落として玄関を飛び出した。真人の憤慨した大声が木霊したのは言うまでもない・・・。
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