名探偵コナン
□第9話
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真幸達は次の授業の準備ある為、クラスメイト達と移動して行く。勿論その後追う3人。
『ねぇ、いつまで付いてくるの?』
「もち、全て♡」
『ちょっと、屈んで』
「うん?」
『お兄ちゃんの変態っ!!これから着替えるんだから!!』
真幸の足がある場所で止まり、後ろにいる兄にげんなりした顔で問う。妹の問いに語尾にハートが飛んでいる感じでニッコリと答えた。
それを聴いた真幸。兄を屈ますと、彼の顔に平手打ちをお見舞いしたのだった・・・。
「ほう・・・見事な紅葉だ。真幸ちゃんの力、半端ないねぇ。流石、兄妹」
「女子更衣室は、さすがにないんじゃない?」
「兄で警察官で良かったな。犯罪一歩手前だぞ?」
「なんで、俺だけ・・・。お前らも居ただろ?」
「知らん」
「同情の余地なんて1ミリもない」
妹に平手打ちを食らった真人は医務室へ駆け込んだ。手当てをする校医は真人の3つ先輩の安藤夫妻。零達もいるが夫妻と同意見でジトーとした目で見つめるのであった・・・。
手当てが終わり、3人は体育館へ。男子はバスケ、女子はバレーをしている。国体さながらのレベルでどちらもボールが飛び交う。
「真幸。上げるよ」
クラスメイトの合図でバレーボールが高く上がり、真幸が相手側のコートへボールを叩き落す。
「新、パス!」
「OK。貰いっと」
翔が新にボールをパスし、相手を交わしてゴールネットへと放り込む。最後はロングシュートで入れた。
「「「おー!!」」」
3人は歓声を上げ、拍手を送る。それに気づいた体育教師の霧島蓮は、真人に声をかけた。
「よっ!真人じゃねぇーか」
「蓮か?ひさしぶりだな」
「あぁ。あ、同僚」
霧島蓮は真人の同級生。真人は零達を紹介しお互いの緊急報告をし出した。
「へぇ〜、真人が警察官とはねぇ・・・。あ、ちょっと、付き合えよ」
蓮は生徒達を集めると、対決をしようと言い始めた。バスケの3onn3対決。真人達3人と生徒が対決するというもの。
「じゃぁ、どうするか・・・。んー翔と翼。2人共バスケ部だし。あと、1人・・・」
蓮が翔とバスケ部の子1人を指名する。残りあと1人で悩んでいるとクラス全員の視線が真幸へ注がれる。
『へ?嫌。私、パス』
「真幸にしたら?」
『ちょっと、私パスって言ったっ!!』
「翔達と同じレベル持ってんの真幸しかいないじゃん」
「頑張って」
嫌がる真幸をクラスメイト達がはやし立てる。それを見ていた蓮は真幸を指名。コートに真人達3人と真幸達3人が入り、試合が始まった。
大人である真人達の走りに難なく、ついて行く真人達。お互い点を入れていくが、一行に決着がつかない。
「はや・・・」
「差が・・・」
「零、景光。本気出さねぇーとやられるぞ?」
「「は?」」
バテ気味の零達に真人が声をかける。
「真幸以外、県または全国大会出場経験者だ」
「「嘘だろー!?」」
「気づくの遅いんですよ。貰いますね」
真人の言葉に絶句する2人。零の手からボールを奪いゴールネットへ入れる翔。彼の顔は疲れを感じさせないくらい笑顔だ。
その後も両チームとも一歩も引かない授業終了まであと2分。ボールは景光から真人へ。真人から零へボールが流れ、零がボールを取ろうとした瞬間、白い手が伸び奪われる。
「ぁ・・・」
取った相手は真幸。彼女は左手で奪うとそのままドリブルでネットへと入れた。入った瞬間、授業終了のチャイムが鳴り響く。勝ったのは真幸達・・・。
「ちぇー、あともう少しだったのによ・・・」
「凄いねー。もう、ついていけないんだけど」
真人と景光は真幸達と話していたが、零だけは立ち竦んだままだった・・・。
「(一瞬、真幸ちゃんの腕が母さんの腕に見えた・・・。まさかな)」