名探偵コナン
□第12話
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「降谷さんっ!?」
という翔の大声で目が覚めた真人。昨晩、零と酒を飲んだ後いつの間にか寝てしまったらしい。
「ん・・・ふぁ・・・零がどうしたって・・・?」
真人は、欠伸をしながらダイニングへ。そこでは、零が銃を突きつけいるではないか。実の妹の後頭部に・・・。
衝撃的な出来事に一瞬脚が震えたが、真幸達の無事が最優先。彼は頭を働かせ、真幸から1番遠い位置に居る翔に声をかけ、ノアとスノーを呼ぶよう指示を出した。
次に真幸の正面に居る新を見ると、彼はゆっくりではあるが手を挙げたまま真人の方へ避難してくる。
新の無事を確認すると、登庁している春樹達に連絡するよう指示を出した。
これで残るのは真幸のみだが、銃を突きつけられている為下手に動くと、発泡される可能性のある。
幸いにも真幸は椅子に座って目を閉じていた。テーブルに移動し、彼女に指示を出すことに。
真人は、真幸のロングスカートを引っ張って自分に気づかせた。彼女は目線だけを真人に向ける。
真人は、ジェスチャーで耳を塞ぐようにした。ゆっくりと耳を塞ぐ真幸。そこで、やっと、翔がノア達を連れてきた。時刻は午後3時40分。
真人は、翔にスノーへ黒の組織の幹部・ジンになりすまして零の気をそらすようにとメモを持たせていた。
「《よう、バーボン。こんな所で何してやがる?》」
「!?《フッ、見てわかりませんか?ジン》」
スノーは、変声でジンとして零に声をかける。零はジンの声が聴こえて顔を硬くするが、すぐにバーボンの顔に戻り答えた。
「《ホー、ベルモットの顔を確かめたか?》」
「《いいえ。でも彼女なら後ろ姿で分かりますよ》」
「《しかし、他人の空似でもあるぜ?バーボン》」
「《では、確認してからという事で・・・》」
零は、銃を下ろす。真人は自分も机の下から出て、真幸に立ち上がり後ろを向くよう指示を出す。
真幸が振り返る。彼女の目から涙が流れていた・・・。
「《・・・なっ!?》」
零の顔が歪んだと同時に真人の声がダイニングに響き渡る。真幸を自分の腕の中に入れ、零から離れる。
「ノアール、確保っ!!」
真人の指示に従って、ノアが零をテーブルの上で抑え込む。振動でティーカップが床に落ち割れる。
「イッ・・・?!」
「よくも俺のお嬢に銃を突きつけたな・・・。だが、発泡しなかった事は褒めてやる」
ダイニングに静寂が訪れる。真幸は、真人の腕の中で震えて泣いていた・・・。
『っ・・・ふ・・・』
「真幸・・・ちゃん・・・」
全員の身体の力が抜ける。零に至っては、自分がした事にショックを受け膝から崩れ落ちた。
そこへ1人の男性がダイニングへ入って来て、こう言った。
「ほうー、俺のいない間に派手にやってくれるじゃねぇーか・・真人」
「・・・一樹伯父さん・・・」