名探偵コナン

□第15話
2ページ/2ページ

 その頃、真幸は自宅にいた。パソコンに向かい誰かと話している。

『うん、大丈夫。まだ・・・。え?うん、分かった。待ってるね』

 声には張りがなく、少し元気がない様子で表情が硬い。真幸は後ろにいた真人にワイヤレスマイクを渡し、位置を代わる。今度は彼がパソコンへ向かい、話し始めた・・・。

「あぁ・・・。零にも話してみる。じゃぁ、来週」

 暫く話していたが、通話を切るとパソコンをシャットダウンさせる。後ろを振り返ると真幸が顔を歪め、瞳に涙を溜めていた。

『お兄ちゃん・・・』

「大丈夫だ。親父達と俺もいるから・・・」

 涙を流す真幸を抱き寄せ、彼女の背中を撫でる真人。

『うん・・・』

 真幸が零に銃を突き付けられてから、早くも3か月が経とうとしており、彼への処罰も12月中には解こうと一樹と黒田管理官が話し合いをしていた。

 一樹から連絡を受けた真人と真幸の両親は12月に入っての週末に一時帰国するという。その日、零本人に会う約束をして欲しいと真人に取り付けるため、テレビ電話で話していたところだ。

「零と会うのは親父達だ。真幸は、無理して会おうとしなくて良いからな?」

 真人は真幸と目線を合わせるために屈んだ。彼女の心はまだ整理が出来ないでいた。

 真幸の胸元で指輪が涙の雫を受け、キラリと光る。その指輪は、零と同じ物。違う所はベビーリングに着いた石。そのベビーリングには真珠が付いていた・・・。
次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ