名探偵コナン

□第17話
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次に母からの手紙を読む。最後の母の記憶は、21歳の時。闘病中だった母の顔。

見舞いに行けば、辛い顔を決して見せず笑顔を見せてくれ話を沢山してくれた。

22歳、潜入捜査として組織に属して間もなく亡くなった事を手紙で知った。その手紙の主は、名前を明かさず友人として書かれていた。

だが今回、友人が真珠さんと知り彼女の夫の当時の仕事上明かせなかった理由だと零は自分の中で位置付けた。

手紙には、父の死を知っていた事と零に今まで隠していた事を謝罪する言葉が綴られていた。

母親が父の死を知ったのは、死後1年が経った頃。父の仕事仲間の1人が知らせてくれたという。その後、本人は体を壊し闘病生活を余儀なくされたが・・・。

しかし、母親からの手紙には妹に対する描写は一切なかった。零に対しての描写ばかり・・・。

友人である真珠さんの事だ。たとえ、夫の仕事上明かせないとはいえ、父親と娘が一緒に暮らしていたことぐらい話していたはずなのに。真珠さんも幸一さんが退職するまで仕事内容を知らされていなかったとは考えにくい・・・。

「あ、メモと写真・・・」

手紙が入っていた封筒には、父親のと同様にメモと写真1枚が入っていた。

[恵さんの若い頃の写真です。遺影に使わせて頂きました。仕事、頑張るも良いですが無理をしすぎないように。貴方と妹さんが一日も早く出会える事を願っています・・・。 行平真珠]

「20代くらいかなぁ。母さんが生んだのに知らないなんて・・・。父さんに口止めされてたとか?」

父親の遺品である指輪とベビーリングも見つかっていない。行方不明の妹が持っているのか・・・。

「あ、妹の名前・・・【マキ】だったよなぁ。戸籍の父親の欄、書き換えなきゃ・・・」

零は手紙をしまうと、明日の準備をし始めたのであった・・・。
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