名探偵コナン

□第19話
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 真幸は駅前で衛と待ち合わせ。衛の学校も冬休みに入っており、日本に一時帰国している。真幸の方が早く来たようで、ジュエリー店の前で待つ。暫くするとスマホに衛から電話が。

 出て見ると、近くまで来ているとの事。真幸はキョロキョロと辺りを見渡す。そこへ背後から抱き締められる。

『っ!?』

「逢いたかった・・・真幸」

『衛・・・』

 突然、抱き締められ驚く真幸。衛に向き合うとお互いの温もりを確かめるように抱き付く。抱き付いた衛のコートのポケットに何か硬いものが・・・手にスッポリと収まる程の小さな四角い箱。 

『?何か入ってるけど?』

「ん?当ててみて?」

 真幸の問いに衛は彼女の手をポケットの中へいれ、箱に触れさせる。

『小さいから宝石かしら?出して見ても良い?』

「良いよ」

 ポケットから箱を出す。箱を開け中を見るとそこには真珠とブルー・トパーズがハート形に並んで配置され、その2つの宝石を囲むようにアメジストとサファイアとオパールとダイヤが並んでいるネックレスが・・・。

『綺麗なネックレス・・・これ、どうしたの?』

「クリスマスプレゼントだよ。逢えなかった誕生日プレゼントも含めてだけどね」

『っ!?ありがとう、衛。大好きっ!!』

「僕も大好きだよ」

 真幸は衛に再度抱き付く。衛は彼女を優しく抱きしめた。2人は惹かれ合うようにキスを交わす。それは、映画のワンシーンのよう。行き交う誰もが2人を中学生だとは思わない程、大人なキスだった・・・。

 大人なキスを交わすと2人は、花屋で花を買う。その足で、とある墓地へ向かった。1つの墓石の前で足を止め、花を供えて墓前へ手を合わせた。

 その墓石の名は【降谷家】。此処に真幸の父・透と母・恵のが眠っている。それと、もう1組の夫婦・・・。

「白馬の父と母に聴いたよ。僕が君の父親の弟・薫と白馬の父の妹・愛という夫婦の間にできた息子だと・・・。」

『お父さんと貴方はそっくりだもの。従兄妹だったのね、私達・・・』

 2人は墓参りを済ませると、白馬家へ向かう車の中で話をする。

「うん。零さんを見て実の父の写真を思い出したよ。父に逢えたような錯覚だった」

『気づいたかしら?』

「分からない。真幸。君、素顔のままで零さんに逢ったんだよね・・・」

『えぇ・・・油断してたわ。来るなんて思ってなかった・・・』

 衛の言葉に額に手を当て顔を歪める真幸。嗚咽を漏らす。

「僕の憶測だけど、もうすぐバレると思う。君が行平家の養女だってこと」

『そんなの嘘・・・。思いたくもないっ!!まだ、分からないわ。あの行平家のセキュリティを破らなければ・・・。だって、お父さんとお母さんの同意の下で養女になったんだからっ!!』

 真幸の手に力が入り、スカートの裾をぐしゃッと掴む。自分のした事に酷く後悔した。

「真幸・・・。イギリスへおいで」

『え?』

「暫くの間、彼から離れた方が良い。・・・彼の事が終わるまで僕と一緒に暮らすんだ」

 衛は力の籠める真幸の手を掴み、イギリスへ来るよう提案する。

『・・・・・。考えさせて。パパ達にも言ってないの。素顔を見せた事・・・。だから、明後日、父が迎えに来たらその足でドイツへ。イギリスへ行くかは、その後よ』

「分かった・・・」

 真幸は掴んできた衛の手をそっと包み込む。明後日、幸一がドイツから迎えに来る。年末と正月は彼の第2の故郷で過ごす事になっている。衛は、彼女の瞳を見つめると息を吐き同意した。真幸の瞳の奥に何か強いものを感じた・・・。
 
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