Dream
□兄弟と一緒シリーズNo.1
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大好きな、お兄ちゃん。
大好きな、弟くん。
一緒に居てくれる一番身近な存在だから。
-兄弟と一緒-
・高橋家の場合
「だぁーからっ、お前が峠に行くだなんて危ねェんだよ!」
「いいじゃない、啓兄に迷惑掛ける訳じゃないんだから…。」
「だーめーだっ、只でさえ野郎が多いのに夜行くだなんて!」
私のお兄ちゃんは峠で有名な高橋涼介と高橋啓介。
でも峠にはいつも連れて行ってはくれないから、おねだりを決行!…したんだけど、啓兄は許してくれそうにはなくて。
「むぅ、啓兄の分からず屋!」
「なっ、俺はお前を心配して…」
「いーもん、涼兄に連れて行って貰うもん!…涼兄、駄目?」
「構わないぞ?」
頬膨らませながら呟けばパソコンと向き合っていた涼兄から発せられる了承の声。
「やったー!さっすが涼兄は話が分かる!」
「嗚呼、ただし俺達の側から離れるなよ?」
「うんっ!」
(いいのかよ、アニキ?!)
(…ふっ、瑞希に近付く奴は片っ端から潰して行けば良いだけの話だ。)
そんな会話が喜ぶ妹の背後で行われていたなんて、誰も知らない。