Dream

□素敵な彼女
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-素敵な彼女-




「まったく、慎吾は相変わらず馬鹿よね。」

「うるせー、俺だってなァ・・・!」


夕暮れ時、病院の駐車場を抜け公道に出たと同時に隣でハンドルを握る女、風時 瑞希は呆れる様に言ってきた。


「はいはい、負け犬の遠吠えは恥ずかしいからそれくらいにしといてね?」

「・・・ちっ。」


瑞希の愛車であるMR-Sの車内に響く、その声に俺は抗議の声を上げるもあっさりと流される様に言い返される。


「あ、手首と車が直ったら秋名に行って藤原君と池谷さんに謝って来なさいよ。」

「・・・・・。」


こいつは俺の嫌な思いを掘り返して楽しんでんじゃねェかと、一瞬思ってしまう。

なにせあのバトルからまだ1週間と経っていない。
確かにあいつ等に謝り行かなければいけないのはわかるが、せめて少しくらい負けた俺に気を使って欲しい。と柄にもなく思う俺がそこにはいた。


「返事は?」

「・・・嗚呼、治ったら、な。」


返事の催促にそっぽ向き答える。本当のことを言えばEG6の修理も終わってるし、手首も普通に運転するくらいなら大丈夫だと医者にも言われている。が、行く気にはなれずにいた。

それはあいつ等になんて言ったらいいか分からないからもあるが、EG6が直っていればいずれ妙義に顔を出さなければならない。

・・・つまり、毅に何を言われるか分かったもんじゃねェ。


「よろしい。にしてもさ、池谷さんがいい人でよかったわね。てっきり中里さんから夜中に連絡が来たときは、アンタ訴えられるんじゃないかって正直思ったくらいよ?」

「大袈裟だっつーの、走り屋やってりゃあれくらい当たり前だぜ?」

「ガムテープ・デスマッチが当たり前だとは思えないけど・・・?」
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