短編小説

□偶然の出会い
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「そろそろ飯にしようぜー!腹減ったよ…。」


「うーん、確かにお腹空いたかも…。」


「じゃあそろそろご飯にしようか!」




新たな街へ向かう為に三人は、草が茂り、川が流れる道を歩いていた。
が、サトシの一言により、昼食の準備を始める事になった。




「……うーん。バッドテイストだ。」


「どしたのデント?」


「あぁアイリス…。残念な事に、食べるものが無いんだよ……。」


「えぇぇぇっ!まじかよー!」



『昼食抜き』。のショックを受けて、サトシは人一倍大きな声で叫んだ。
それもそのはず、フォーク片手に、既にデントの料理を待っていたのだ。



「昼食抜きか…。オレ生きていけるかな……」


「子供ねぇ!周りをよく見なさいよ」


「周り?」



アイリスの声を受け、サトシはキョロキョロと顔を動かしてみた。見えたものは……



「木の実だー!!」


「ねぇデント。昼食抜きはこれで避けられるでしょ?」


「そうだね。よかったよかった…」



二人とも、『子供』が落ち着いて一安心の様子だ。



「…なぁ。近くに川が流れてるみたいだし、もしかしたら魚が釣れるんじゃないか!?」


「あー!確かに!……でも、釣竿なんて無いわよ?」


「…………なら、ピカチュウの10万ボルトで――」


「ここらへんの魚を絶滅させる気!?」



喧嘩が始まった。



「おっ、落ち着いて二人とも!釣竿はあるよ!」


「「え?」」



頬を引っ張り合う二人の目の前には、見るからに新品の釣竿があった。



「わーい!さっすがデント!」


「…ピカチュウの出番無くなっちゃったな」


「ピカー…」


「喜びなさいよ!!」


「あははは…。とにかく、食事の準備をしようか。
アイリスは木の実を採る係。サトシは魚を釣る係。僕は、料理と準備係、でどうだい?」


「賛成〜!でも…」


「……?なんだよアイリス」

「お子ちゃまのサトシが、釣りなんて出来るのかしら?」
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