OP小説
□心配性
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ただオマエが笑ってくれて、オレが笑えたら幸せなんだ。
青空の下、船は浅瀬に止まり海水浴をすることになった。
クルーは水着に着替え、次々に飛び込む。
そんな中泳げもしない船長の姿を見つけた副船長。
『よし
』
「ルフィ、オマエその浮輪…泳ぐつもりじゃねーよな?」
『え?』
ゾロは元々目付きは良くないがルフィを見つめた目はいつも以上の怖さだった。
「やめろ。泳ぐのは」
『何で?』
「能力者だからだ。溺れたらどうする?」
『溺れねーって
』
「根拠は?オレが助けなきゃ溺れるくせに」
傷つけたいわけじゃない。ただ心配で言ってんだ。
『助けてくれるなら』
「ダメだ」
ルフィの言葉を遮ってゾロは否定の言葉を並べる。
『でも』
「ダメだって」
オレはルフィから浮輪を取り上げようとする。
『ヤダ
』
「ルフィ。オレはそういうルフィが嫌いだ。世話かけんな」
もちろん嫌いなんて嘘だ。心配だからこそこうするのが最善。
オレはルフィが沈んでくのを見たことあるから嫌なんだ。
するとルフィは何も言わずその場を立ち去った。
「ちょっと言い過ぎよ」
「うるせえ」
ナミの苦笑を余所にオレは海に入る。
あれくらい言わないとルフィは言うこと聞かねーんだ。
水中でルフィを思い描きながら泳ぐ。
ルフィは今どこで何をしてるのだろう?
少し心配になってきて周りを見渡したがルフィはいない。
「オイ」
「何よ?」
「ルフィは船にいんのか?」
「ルフィならあっちの浅瀬よ」
「浅瀬…」
オレはそれを聞き浅瀬側に向かった。
波を感じながら歩いていると砂の山を作るルフィが一人いた。
それはそれは寂しそうに。
その姿を見てズキッと胸が痛んだ。