SD小説

□火傷した次の日
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事件は家で起きた。
いつも通りの一人暮らしの部屋で料理を作った。
こんな暑い中作るのが嫌なものは味噌汁だ。

桜木はそんなことを思いながらインスタントの味噌汁を作り上げた。
ズズッと啜ると熱い味噌汁が口内に広がり、熱さで涙が出るかと思うほどだった。

バツ悪そうに食事を済ませた後の事だった。
舌がヒリヒリして痛いのだ。


「くそぉ〜〜〜〜〜っ」




舌の火傷に苛立ちながら即布団に入った。厚さでの苛立ち、火傷での苛立ちを思い浮かべながら目を閉じた。


一夜が明けても舌のヒリヒリする痛みは治らなかった。

痛みはバスケをしていても微かに残っていた。


「いて〜
「どあほうどうした?」
「ぬっ…Σいや…火傷…」

バスケ部に所属している愛しい恋人が近付いてきて少し心配そうに問い掛けてきたので桜木も素直に答えてみた。

「火傷したのか?」
「ま〜な。舌だけどよ」


と舌をベロッと出した桜木を見た流川はドキリとした。

どあほう…エロい
そんな舌見せやがって…しゃぶりてー…犯してやりて〜


流川の頭の中の葛藤を桜木は知る由もなかった。
というより知ってしまったら桜木は逃げてしまうだろう。

「痛てーの?」


平然な流川の問い掛けに桜木も簡単に答えた。

「痛い」
「…大丈夫か?」
「おう


流川が心配してくれる事に少し照れる桜木。他人への態度と自分への態度が違うと知っていたから優越感に浸れる。
少し顔を赤らめる桜木に痺れを切らせたのか流川は桜木の赤らむ頬を包んで見つめてやる。

「!?ルカワ
「…」


体育館内に大きく響くバスケットボールの音が心臓の高鳴りを消してくれる事を願う。
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