SD小説

□標的
1ページ/3ページ


夏休みの合宿に来た湘北高校バスケ部一行。
朝早くから出発したため合宿先に到着した桜木や三井、流川はぽわ〜んと眠そうな表情をしていた。

「おいオマエらこれから練習だ気合い入れろ


赤木の一喝にメンバーが目を覚ましやる気を出す。
そんな中..翔陽のバスケ部と合流した。

『ぬ..ホケツくん
「桜木」


心なしか笑顔を見せた翔陽の監督兼選手の美形顔・藤真はゆっくりと桜木に近づいた。

『ホケツくん達も合宿か?』
「あぁ。桜木がいるってことは湘北もか?赤木」
「そうだが。翔陽はいつまで合宿なんだ?」

「これから帰る予定だ」
『もう帰んのか』


藤真は桜木を見て柔らかい笑顔を向けると、後ろから花形がやって来た。

「藤真戻るぞ」
「まだ時間があるだろ?オレは桜木と話たい」
「そんな時間はない」

「なら桜木も一緒に帰らないか?」
『なバカ言うなよホケツくん』

「桜木が転入してくれれば一番いいのにな」


ちゃらけて笑う藤真は楽しそうに笑うと釣られて桜木だけが笑う。
周りは全員呆れ顔だ。

それを他所に藤真はタッパーを桜木に差し出す。

『ぬ?』
「レモンの砂糖漬け。練習で疲れたら食べてくれ」
『おサンキュー

「じゃーな」


押し付けられたタッパーを持ち桜木は立ち去る藤真と花形に手を振る。

赤木はなんだかんだで藤真は桜木に弱いんだな..と呆れていた。

「モテるな〜オトコに
『うるせーぞミッチーホケツくんみたいな美形に好かれてんだからいいだろ


自信たっぷりにそう言えばある男がキレる。
表情にも口にも出さないが彼は内心御乱心状態だ。

赤木に連れられ部屋へ行くと割と景色が良く旅行気分になる。

着替えを済ませ試しにレモンの砂糖漬けを口に含むと頬が落ちそうになった。

『うめーホケツくんスゲーな』


この一言にまた機嫌を悪くした同室の恋人・流川は口を曲げると部屋を後にした。
それを気にせず桜木もタッパーを持ち部屋を出ると歩いている途中、流川とツンツン頭を見つけた。

それは見間違えるはずもない陵南の仙道だ。

「あ★桜木
『?センドー』
「ラッキーだな桜木に会えるなんて」


流川の元を離れ仙道は桜木に近寄る。
それを見た彼氏の流川は「どいつもこいつも」と舌打ちを漏らす。
だが仙道は全く気にせず桜木にデレデレするのだ。

「桜木〜レモンの砂糖漬け?」
『あぁ』
「口に砂糖ついてる」


仙道は手を伸ばし砂糖を拭うと取った親指を舐める。

「甘いな」
『バ..バカ砂糖なんだから..あたりめーだ』


少し赤くなった顔を見て仙道が笑えばタッパーからレモンを盗み出す。

「貰い
『あーせっかくホケツくんから貰ったのに』


などと楽しそうな会話を交わしていれば流川がこちらへ歩いて来る。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ