シルバーローズ

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今、私は本日第二の関門の目の前に立っています。

この扉を開けるか、否か。


いや、開けなきゃいけないんだけど・・・

開けたくない。



こんなに遅くなったのおにぃになんて言おう。
絶対心配してるよなぁ・・・


でも、今日あったことは・・・
話すべき?




話したくない。




でも、私の嘘がばれなかった事あったっけ?
・・・そんなにない。




それでも話したくないんだもん。

だって





バンッ!!



「流香!」
『あっ・・・ただい、ま』
「何処行ってたぜよ!」
『えっと・・・文化祭の後みんなで花火してたら』



うん。
嘘じゃないもんね・・・。


「・・・そうけ。とにかく中に入りんしゃい」
『うん・・・ただいま。連絡しなくてごめんね』


普段どおり。
普段どおりにすればいいだけ。
おにぃに余計な心配させちゃいけないよね。





「火薬の匂いがする」


うっ・・・
もしや隼人の・・・






『そりゃ、花火してたし』
「ほう」
『もー、疲れちゃったからお風呂入って寝るね!』
「さよか」

今日は夕ご飯、食べてくるって言ってたから作る必要ないし。
よかった。
大丈夫。
何もばれてない。



話す必要ないよね?




これ以上心配させちゃダメ。


  
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