シルバーローズ

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はぁ、はぁはぁ・・・

あ、あと何分?!

もう疲れた!!
大体年暮れに鬼ごっこって・・・うちら若すぎる。
おにぃ達は今何してるのかなぁ??



はぁ。
息・・・白い。
そりゃそっか。


タッタッタッタ




あっ、やば。
あの足音って武じゃない?!
こっちから聞こえるって事は・・・



あっちに逃げなきゃ!

どうか見つかりませんように!!

・・・半分かくれんぼじゃん!


んっ?
方向転換したみたい。
よかったぁ。
実際もう走りたくない。

あと捕まってないのって・・・ツナだけかな?

タッタッタッタッタ

この足音は・・・


武、じゃない。

そういえば、街の人見ないなぁ。
・・・こんな日のこんな時間に外出なんてあんまりしないか。

さっき、隼人がダイナマイトで多分武と戦ったんだよね?
大きい音がするはずなのに、騒ぎにもならないなんて・・・

あれ?
ちょっとおかしくない?

「あっ、流香ちゃん」
『わぁ!!』
「シーーッ!!・・・大きい声出さないで!」
『あっ・・・ご、ごめん』


いきなり声なんてかけるからだよ。
・・・考え事してボーっとしてた私も悪ぃんだけどさ。

さっきの足音は、ツナだったのか。


「って、大丈夫その足!!」
『ツナも声大きいってば』

人の事注意しといて、それはないんじゃないの??
・・・足??

うっわ・・・
ひさんな事になってる。
そりゃそっか。
下駄であんなに走り回ればねぇ。

隼人・・・私の足が遅かったのは着物を着てたってだけじゃなかったんだよ。
足ボロボロで、血が・・・

年末なのに、最悪だぁ。

「ど、ど、どうしよ〜!とりあえず、リボーンの所に行けば獄寺くんがいるから・・・」
『でも、それって武に見つかりそうじゃない?』

そんなのまっぴらゴメンだ。
恥ずかしい思いしたくないし、お願い事も叶えて欲しい。

っ!

傷見たら、痛くなってきたよ〜。
ツナったら、余計な事言って!

『・・・そういえば、あとどのくらい?』
「あっ、えっと・・・あと20分ってところかな?」
『そっか』

あと少し。
だけど、逃げ切れるかな?

あぁ・・・
勘のいい武。
またこっちに向かって来てるよ。

『ツナ、行こう!あっちから武来る』
「えっ?えぇ?な、なんで?」
『何でって・・・足音聞こえるでしょ?』

何言ってるの、いまさら。
こっちは真剣に逃げてるんだからね!

「えっと・・・?」
『いいから!私もう走りたっくないんじゃってば。早めに逃げれば見つからないでしょ?』
「わりっ。見つけたのなー♪」
『「!?」』

な、なないつの間に!?
全然気が付かなかった!

「じゃ、タッチ!」
「わーー!」
『ギャッ!』

く、苦しい・・・。
でもセーフ。


『ありゃがと、ツナ』
「ご、ごめん思いっきりひっぱっちゃった」


お陰で、捕まらなかったよ。
苦しかったけどね!!
捕まるわけにはいかないのですよ。


が、この足で走れる??
武が重りつけてるとはいえ、さっきも簡単に追いつかれそうになったんだよ?



「足痛いだろ?一緒に小僧のところまで行こうぜ?」
『え、遠慮しときまーす』
「チェッ・・・そういえば、流香の願いって何だ?」
『わ、私の願い!?』



ど、どうしよう。
ここで話せば見逃してくれるかな?
でもこんな願い事話すのもちょっと・・・



「・・・死ぬ気で時間をかせぐ!」
『・・・はっ?』


気が付くと、ツナが頭と手に青い炎をつけてた。
火傷・・・してなさそう。



「おっ、そうくるのな〜。じゃあ遠慮しねぇぜ?」
「こい山本」


えっと・・・二人が微妙な戦闘体制?
なぜ?
ここは遠慮せず、逃げさせていただきます。


「あっ、流香、逃げるなって!!」
『ごめん、無理w』
「ここから先は、山本を行かせない。俺を先に捕まえてみろ」
「・・・いいぜ?俺も本気だすのな〜」



・・・ツナ、だよね?
人変ってない??

まっ、後で聞くとして・・・




逃げさせていただきます。




  
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