キセキ(プラス)

□03 劇の配役
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5月○日
今日は転入初日。本校っていうだけあって、とっても大きな中学校だった。
都会の学校だからか頭がカラフルな人たちを沢山見る事が出来た。
水色・ピンク・青・緑・黄・紫・赤・・・
水色の人は黒子テツヤくん。私が2回もぶつかっちゃった人なんだけど、どっちも手を差し伸べてくれた優しい人。
ピンクの人は桃井さつきちゃん。私が黒子くんの手を取ったのを見て叫んでたから、黒子くんが好きなのかな?いつか誤解が解けるといいな。
青い人は・・・・嫌な人。変態だと思う。たしか、青峰くん・・・?
緑の人は、同じクラスで隣の席になった緑間真太郎くん。ラッキーアイテムを持ってるんだって。人事を尽くせばなんとかって教えてもらったけど、忘れちゃった。優しい人だと思う。教科書見せてくれたし。
黄色の人は、私のお弁当踏んでっただけじゃなくて、私が彼を好きで待ち伏せしてたって勘違いしてった人。次会ったら誤解を解いて、謝ってもらいたい。イケメンだからって何でも許されると思ってるのならそれも叩き直したい。
紫の人は、青の人と同じぐらい背が大きかった。お腹減ってた私にまうい棒くれた優しい人。お礼は3倍返しでいいって言ってたから、おかしを常に持ち歩こうと思う。・・・彼の腕の中に、山ほどのまうい棒があったから、どうせならもっとくれてもいいんじゃないかと思った。
赤い人は、特別教室で会った。赤司くん。培われたタイピングで、困ってた赤司くんを助ける事ができた。赤司くんにもらったおにぎりのお陰で、一日乗り越える事ができた!



クラスの人たちもいい人そうだし、なんとかやっていけそうだと思った。




『・・・っと、こんなもんかな?』
「何を書いているのだよ?」



小日向が教室の自分の席に座り、ノートを開きながら何か書いているのを緑間はずっと隣で気にしていた。
ぶつぶつ呟きながら書いているので、それも仕方ないだろう。
小日向が終わった頃合いを見計らって声をかけたのは、彼なりの優しさだろう。


『えへへ。日記を書いてるんだー!緑間くんの事も書いちゃったw』
「・・・どんな風に書いたのか気になるのだよ」
『内緒だよ』


緑間が読んでいた本を閉じるのと、授業開始の鐘が鳴るのは同時だった。
担任が丁度扉を開けて入ってきた。
それでも、クラスはどことなく浮いている雰囲気がある。


「えー、それじゃあ劇の配役を決めるぞー」


担任から発された言葉に、クラスはさらに色めきだつ。


  
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