キセキ(プラス)

□04.5 体育館にて
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一軍練習終了後・・・


「あーもー。また青峰っちに1on1負けたっす」
「・・・」
「おーい、テツ。生きてるかぁ」
「でも、黒ちんも吐かなくなっただけマシになったよねー」
「最低限の練習にはついてこられるようにはなったのだよ」
「お前らはさすが余裕だな。練習量を考えなくてはな・・・」
「「「「げっ・・・」」」」


練習を終え、ストレッチしクールダウンを行っている奇跡のメンバー。


「そういえば、赤司。明日ぐらいから、文化祭でやる演劇の練習が始まるのだよ。それで、練習に遅れる事があるかもしれないのだよ」
「あぁ・・・分かった」
「緑間っちのとこって、劇でしょー?緑間っちは何するんっすか?」
「・・・」
「俺知ってるー。アラジンでしょー?主役かっこいーじゃーん」
「「「ぶっ」」」
「笑うななのだよ!!」


体育館には盛大な笑い声が響く。


「それはそうと・・・黄瀬は俺とこれから1on1だ」
「うぇ?!なんか今日俺にだけ厳しくないっすか!?」
「生徒会の仕事でストレス溜まっているのかもしれないのだよ」
「なんだ、赤司ー。機嫌でも悪いのかー?」
「でも、練習来た時は機嫌よかったよねー」
「おっかしいっスねー・・・だって赤司っち良い事あったはずなんっすけど」
「ほぉ?詳しく聞かせてもらおうか??」
「赤司くん・・・目が据わってます」
「赤ちんこわーい」
「だっ、だって生徒会室で下着の『ボカンッ』・・っ!?」
「「「「・・・・」」」」


赤司が素敵な笑顔で黄瀬の顔面にボールを投げ当てた。
黄瀬はその勢いに体を支えられず、座ったまま後ろに倒れこんだ。
あまりにもスムーズな流れと、赤司の迫力に言葉を無くし硬直する他キセキのメンバー。




その後、一方的なしごきにより、体育館につっぷす黄瀬。
反面、コートに立っている赤司の表情は実に晴れ晴れしている。


「ふぅ・・・・これぐらいすればいいかな。黄瀬も懲りただろう」
「・・・」
「さっさと彼女に謝罪してこい」
「どういう事なのだよ?」
「彼女って誰ー??」
「黄瀬が、今日女生徒の着替えを覗いてたんだ」
「死ね黄瀬」
「変態ですね」
「うわー・・・」
「幻滅なのだよ」
「あれは不可抗力ッス!!」


一斉に非難を浴び、立ち上がる黄瀬。
練習している時にたまたま見えただけと説明するが、非難は収まるわけがない。


「あぁ・・・だから練習の途中から気持ち悪いぐらい機嫌が良かったんですね」
「黒子っちぃぃ!!?」
「変態だな」
「青峰に言われるようではお終いなのだよ」
「で、でも赤司っちだって」
「俺は隣の部屋にいた」
「そ、そんなのずるいッス!」
「諦めて明日にでも謝罪に行くのだよ」
「・・・分かったっすよ。でも、どこの誰かまでは見えなかったッス」
「巨乳だったかー?」
「うーん・・・胸はあんまりなかったっスけど中々」
「見えてるんじゃーん」
「で、ででも俺が見てたってことは彼女は知らないんじゃ」
「目があったのにか?」
「黄瀬ちんサイテー」
「見えていなければいいなんて最低ですね」


その後、黄瀬は再び非難を浴びた。
赤司の言いつけを守り、部活の前に謝罪に行こうと思ってクラスに行ったのだが目的の彼女が見つからず、赤司にまたしごかれたのは後日談。

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