シルバーローズ

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『何が、と、いうわけなのーーーー?!?!?』
「落ち着きんしゃい」
『おにぃは、何でそんな落ち着てられるの?!』
「・・・冗談だと思ったら、そうでもないらしいのぉ」
『えっ、マジで?!』



冷静に分析してるおにぃの手元には、なにやらノート。
最初に言ったけど、普通な人生が一遍したのは私だけ。
だって、おにぃは普通じゃないもん。
いや、普通の人なんだけど、ちょっと変ってるの。
自慢の兄には違いないんだけどね・・・。



『ちょっ、見せてよ!!』
「ピヨ」
『あーー!ずるーい!!』


手をあげて、私に届かないようにしたぁ!!!
こうなると私にはもう無理。


「説明だけしてやるぜよ」
『分かりやすくね?』
「シャンブルファミリーっていうのは、実在するマフィアで、勢力もそれなりにあるらしい」
『・・・根拠は?』
「ここにそれらしい烙印と説明文があるからのぉ」
『私にも見せてよーー!』
「見せてもいいが、読めないんじゃなか?」
『何これ?英語・・・じゃにゃいよ、ね?』
「噛むな。これはイタリア語じゃ」


それじゃあ読めるわけがない。
英語だって、やっとこさ授業についていってる程度なんだから。
イタリア語なんて知ってたのか、この兄は。



「ほれ、これ持っときんしゃい」
『何これ?』
「指輪」
『・・・私指輪なんてしたことない』

したくない。
だって、邪魔じゃん!


「お前の指にはちょっと大きいかの?」


私の手をとって、指輪をはめるおにぃ。
ちょっと王子様みたいだ。

『って、ダメダメダメ!!!』
「何じゃ。うるさいのぉ」
『左手の薬指は・・・』
「ほぉ。俺の妹はロマンチストじゃな」

・・・だって。
そこは結婚する人にはめてもらいたいんだもん。



「俺が一番にはめたかったんじゃが」
『論理的に無理だかりゃ!』
「つれないのぉ」


また、噛んでしまった・・・。
おにぃ、言動には気をつけたほうがいいと思う。本当。
かっこいいんだから。
他の女の人に、そんな事言ったら卒倒もんだよ?
私だから流せるけどさ。



てか、またノートを読み出した。

  
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