シルバーローズ

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もちろん、授業に集中できるわけもなく、昨日の事を思い返してた。


朝、パパがいきなりシャンブルファミリーなんて名前を出したと思ったら、いきなり出て行くし。
携帯に連絡しても全然つながらないし。
いきなりボスって地位にされても困る。
渡された指輪もなんか重要っぽいし・・・。
本当にマフィアって何?
仮に、私とおにぃがボスになったとして、ファミリーって誰もいないんじゃないの?
だったら、掟をやぶっても・・・

ダメだ。
確実じゃない今、そんな事したら結果が怖い。

それに、いきなり・・・


いきなりばっかりだ。




パパママは何で私とおにいを置いて行ったんだろう。


邪魔だった?


何で一緒に連れてってくれなかったんだろう。

何で私とおにぃがボス?
パパ、ママがボスになるんじゃないの?



「おい、仁王」
『・・・はい?』
「授業中に先生の話を聞かないで窓の外ばかり見てるなんて随分余裕だな」


しまった。
この先生性質悪ぃんだよね。


『すみません』
「お前は、受験生だという自覚をもっと持ったほうがいいな」


そうなんだよね。
受験生って色々メンドクサイ。
推薦なんて楽な方法使えないしなぁ。



てか、もう座っていい?



「そんな事じゃ、お前のこれからの人生が手に取るようにわかるな」

はぁ。
勝手に予想しててよ、ハゲ。

ガタンッ


「あ、あの・・・先生」
「何だ、沢田。最近調子がいいようだが、何時までそんな幸運が続くかな」

ガンッ

「テメー、十代目に舐めた口利いてると果たすぞ!」
「ご、獄寺くん!!」
「落ち着けって、獄寺!」

・・・また始まった。
この三人って本当に仲いいよねぇ。

「先生〜、流香気分悪いから授業なんか聞きたくなかったんだってよ!」


あぁ。

武。
それってフォロー?

逆撫でしてない?!

「と、とりあえず流香ちゃん!保健室行こう!!」
『ちょっ、ツナ?!』
「お、おい!沢田、仁王?!俺の話はまだ終わってないぞ!」


「まぁまぁ、先生」
「残りは俺たちが聞くぜ?」




ツナにひっぱられながら、教室から聞こえてきた武と隼人の声。
それにつられるように、女子と男子の声援?
盛り上がってますなぁ。

・・・どうするの?
あの先生の授業まだまだ受けなきゃいけないんだよ?

あっ、別に義務教育だから単位とか関係ないのか。

今度から極力サボろうかなぁ・・・。





なんて、呑気な事を考えてるうちに保健室についた。


 
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