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□屋上未満。
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「僕らはきっと、屋上まで行けない」

ドアノブにかけた手を見つめて。
あの日の彼はそう言った。



屋上未満。



私、来宮水緒(くるみや みお)と
彼、円井麻依(つぶらいあさい)の関係を表すのに
これほど適した言葉はなかった。


彼の造語だけど。



天の邪鬼な彼はいつもこう言って笑う。

「僕らは綺麗な言葉だけでつながろう」

それがどれだけの苦しみを与えてるのかも知らないで。
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