school life

□第2話
1ページ/2ページ

一週間後 新羅先輩宅
『佳奈ちゃん!久しぶりだね!』
「セルティさん、こんにちは。お久しぶりです。」
『座って座って!』

やけにテンションが高いセルティさん。いつもセルティさんは私に優しく接してくれる。毎日変態と暮してるから女の子に会うのが楽しいのかな。新羅先輩、絶対彼女作らないもんな。セルティさんにベタボレだからね。
この前私の友達を『君には首から上があるだろう』って言って豪快にふってたな。セルティさんを知らない人が聞いたらドン引きだよね。新羅先輩のどこが好きで告白したんだろう。私はセルティさんと仲が良いから新羅先輩の気持ちも分かる。良い人(?)だよね、セルティさん。
思えば、今新羅先輩と仲が良い女の子は私とセルティさんだけ。なんだか青春を棒に振っているような気がするのは気のせいなのかな!?

「はぁ〜」
『どうした?』

ため息をついた私を心配してくれるセルティさんだけが私の青春のなかで唯一の華なのかな。
なんて寂しいんだ!

「私、臨也先輩に1stキスを奪われて告白されたんです。」
『え!?本当なのか!?消毒はちゃんとした!?』

恋バナとは思えない反応。それが正しいと思う。臨也先輩相手に恋愛なんてありえないことをセルティさんはよくわかっている。私が他の友達に『臨也先輩にコクられた』って言ったところで、信じてもらえないか羨ましがられるかのどっちかだって予想ができるから他の誰にも言ってない。
他の人は臨也先輩のことを知らなさすぎだよ。顔が良ければいいってモンじゃない。私は臨也先輩がたまたま新羅先輩とよく一緒にいたから知り合いになったけど、他の人はただの取り巻きだもん。喧嘩の傍観者が良い例だね。
人間観察が大好きらしい臨也先輩に『好きになった』って言われても、皮肉としか思えない。だって、『一応君も人間だから好きだよ』とか『彼氏いなくても俺がちゃんと見てるから大丈夫』とか言われてるみたいでしょ?
ああ腹立たしい。
先輩に告白されたって噂でも立っちゃったら余計に彼氏ができなくなるじゃないか。

「私ってそんなに残念な女ですかね?」

セルティさん、助けてください!

『そんなことないよ!顔可愛いし、スタイルいいし、明るくて優しい性格だし。もっとまともな人たちと一緒にいれば絶対モテるよ!』

女神だ。ここに女神がいる。

「ありがとうございます!セルティさん、大好きです!」

私がセルティさんに珍しく抱きついているのを見た新羅先輩がとても羨ましそうにこちらを眺めていた。まだ告白してないのかな。長い恋だ。

「私には少し運が足りなかったんですね。」
『そうかもしれないね。』

セルティさんに出会えたことは奇跡だと思った。
注)私はノンケです。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ