school life
□第5話
1ページ/2ページ
中間の一週間前になった。やって来た地獄のような日々。
「佳奈ちゃんさ、勉強かなり苦労してるでしょ。」
「馬鹿にしてるんですか!?」
学校で会って、挨拶したらいきなりこれ。やっぱり臨也先輩は酷い先輩だ。
「見ればわかるよ。」
「え!?クマできてますか!?」
肌には気を使っているつもりなんだけどな。ニキビ面になって嫌われたら嫌だし。別に臨也先輩に嫌われてもなんともないけどね!
「違う違う。勉強してなさそうだと思って。」
「もろに馬鹿にしてるじゃないですか!」
「じゃあ色々教えてあげるよ。手取り足取り。」
「怪しい上に気持ち悪いです」
何を考えてるのかわからない人だと思ってたけど、意外となんにも考えてないのかも。
「冗談だよ。わかんないのがあったら何でも聞いていいよ。まあ、佳奈ちゃんは暗記で苦労してるんだろうけどさ。」
「そうなんです!英語は特に。文法はわかるのに単語がちんぷんかんぷんなんです。」
「それじゃ文章読めないじゃん。ホントに文法わかってんの?」
「……」
中学生の時にもっと勉強しとけば良かった。これじゃ馬鹿にされてるだけじゃん。
「先輩は馬鹿な人は嫌いですか?」
「単細胞の馬鹿は嫌いだな。」
「ああ、静雄先輩のことですか。」
「…シズちゃんが可哀相に思えたのこれが初めてだよ。」
ならそのまま仲良くなってほしい。
「じゃ、そろそろ時間だからまた後でね。」
「あ、はい。」
気がつけば授業の三分前だった。遅刻が免れて良かった。