school life

□第6話
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やっと中間が終わった。臨也先輩と新羅先輩に教わった教科はそこそこできたけど、それ以外は、まあ、ダメだったね。やっぱりいつも通り平和に過ごすのが一番だよね。うん。
補習が終わって廊下を歩いていると、入学以来段々見慣れてきた金髪が目に入った。

「静雄せんぱ〜い。」
「佳奈?居残りか?」
「補習です☆先輩もでしょう?気が合いますね。」

先輩は一瞬嫌そうな顔をしてから徐々にいつも通りの仏頂面になった。小学生のときはもっと表情豊かだったのに。

「何の教科ですか?全部?」
「なんでだよ」
「やっぱり!さすが静雄君!」

先輩がちらっと私を見た。…やばい、先輩に『静雄君』と言ってしまった。それは昔のあだ名だよ!

「すみません、つい勢いで…」
「あー、別に気にしてないから。」

怒ってんじゃん。目が合わないじゃん。

「やべ、雨降ってる。」

先輩の言葉通り、窓の外を見ると雨がざーと音を立てて降っていた。

「俺、傘持って来てねーんだよな。ったく、面倒なことになりやがった。」

天気にキレても無駄ですよ先輩、とは口が裂けても言えない。そういえば、私は傘を持って来ていた。小さいけど。

「私、折りたたみ傘持ってますよ。途中まで一緒に帰りましょうよ。」

小学生の時、傘を忘れた静雄先輩と、ちゃんと持って来た幽君と一緒に帰る事はしょっちゅうあった。

「家の方向逆じゃね?」
「今日は買い物があるので静雄先輩の家と同じ方向なんです。」

たまたま同じなんだなぁ〜。静雄先輩は運がいい。

「じゃ、帰りましょうか。」

ほぼ無理矢理押し切って、一緒に帰ることにした。
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