school life

□第7話
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待ち遠しかった夏休みがついにやって来たよ!
バイトして、遊んで、遊んで、遊ぼう!今勉強って言った人はとりあえず田沢湖にでも沈んでおこうか。友達と遊ぶ約束はすでにたくさんある。テンションが上がり気味のまま家に帰ろうと歩いていた。

「佳奈ちゃん!」
「ひゃっ!」

急に話しかけられてびっくりした。横に臨也先輩がにやにやしながら立っている。夏休みでテンションが上がってる人がここにもいた。

「ああ、臨也先輩。なんですか?」
「なんですかって。大分前から思ってたんだけど佳奈ちゃんって俺に対する態度冷めてない?」

そんなことはないはず。一緒に帰ってるし、前は映画を見に行った。冷めてるって言われても直すことがないよ。

「…………」
「別に変に考え込まなくていいよ。佳奈ちゃんがどんなに考えても多分わかんないから。」
「どういう意味ですか?」

人が真剣に考えてるのに多分わかんないって。酷い!つい苛立ち混じりに睨んでしまった。こういうのが冷めてるってことなんだとしたら悪いのは先輩だよ。

「可愛いって意味」
「…意味不明ですよ。」

可愛いって言えば済むとでも思ってるのかこの先輩は。

「新手のナンパですか?」
「そうだね。夏祭り一緒に行かない?」

夏祭りの日はまだ特に約束してなかったな。

「いいですよ。」
「え、以外と素直!?」

冷めてるなんて言うからOKしたのにこの反応。冷めてるのは先輩の方だよ。

「先輩は私が素直だと嫌なんですか?」
「素っ気なくて面白くないのは確かだね」

面白くない!?つまんないって事か!?誘っておいてなんだそれは。

「酷いですよ!先輩には逆らえないのが後輩ですよ!?」
「佳奈ちゃんって、先輩だったら誰とでも遊びに行くの?」

言葉に詰まる。

「こ、これでも私、結構モテるんですよ!誘われまくりですよ。誰とでもって訳ではないですけど、行きますよ。」
「へーぇ。」

臨也先輩が反応した様子は特になかった。私のことが好きだって言ってたのはやっぱり人間だから?

私がモテるのははったりじゃない。同学年の人に告白されたことが何回かあるし、中学生だった時は卒業式に後輩の男の子にも告白された。臨也先輩以外の先輩に告白されたこともある。

「好きなタイプの人に告白されたことはないんですけどね。」
「俺は?」

まさかの俺セレクト!今更ながらこの先輩すごいな。

「問題外ですね。自信過剰ですよ。」
「ずば抜けてるってこと?」
「『変だ』って意味でなら。」
「じゃあ聞くけどさ、佳奈ちゃんの好きなタイプってどんなの?」

そうきたか。どうせ興味本意で聞いてるんだから嫌がらせでもするとしよう。

「静雄先輩みたいな人です☆」

嫌な顔してる!面白い。

「優しくて、かっこよくて、強くて、」
「あんな単細胞馬鹿のどこが優しいのさ。標識振り回すことしか能無いじゃん」
「静雄先輩の優しい所がわからないからってただの馬鹿呼ばわりしたら私が怒りますよ。」

静雄先輩は単細胞なんじゃなくて自分の感情に素直過ぎるんだよ、昔から。だからおっかないんだけど。
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