school life

□第13話
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文化祭まであと少し。皆揃って浮かれている。私の親友も勿論例外ではない。ああ、この子の場合は年中浮かれているか。

「佳奈ー、文化祭一緒に…あ、愛しの臨也先輩と行くのか。」
「ブはッ」

何をいきなり。

「じ、じんぞうに悪いこと言わないでよ」
「心臓だよね?」
「う…噛んだだけ…」

腎臓は腰の辺りにある臓器ですね。それはさておき、私はまだ臨也先輩と何も約束してない。一緒に回りたいけど、自分から誘うのは恥ずかしい。

「あ、もしかしてまだ誘ってない?恥ずかしくて誘えないんでしょ。」
「貴女はエスパーなの?」
「佳奈限定だよん」「はぁ」

この子の趣味はわからない。

「ちゃんと言わないと伝わらないよ?」「う…」

こんなにズバズバ言われると逆に何も言えなくなるよ。

「今更何が恥ずかしいのやら。もう《ピー》とか《ピー》とかやっちゃってるんでしょ?」
「ごめん、言葉の意味がわからない。」

語彙力がなくてついていけなかった。

「そ、そうだよね。ごめんごめん。あたしったら勢いでとんでもないこと言っちゃったよ。てへ。」

てへって何だ。

「勘違いしてるみたいだから言っとくけど、私と臨也先輩はまだ付き合ってもいないよ。」
「なんだ、進展ないなぁ。でも、『まだ』ってことはこれから付き合うんだよね!文化祭で告白するんだよね!楽しみにしてるよ!」
「なんであんたが楽しみにするの。つつつ付き合うなんてとんでもない。」

そういえば、まだ夏祭りの時の告白の返事をしてなかった。どうしよう、いろいろ思い出しちゃうと恥ずかしくて自分から話しかけられない。最近は先輩の顔を見るだけで何も話せなくなる。初めて会ったときは『変な人』としか思ってなかったのに、気が付いたらこんなに意識するようになっていた。

「あ、折原先輩。」「えぇ!?どこ!?」
「あそこ。平和島先輩と喧嘩してるよ。若いねぇ〜。」
「あんたの方が年下でしょう。」
「わぁ、すごいアクロバティックな動きしてるよ。二人ともカッコイイね!」「…そうだね。」
「あたし平和島先輩狙おうかな。」
「…そうだね。…狙うって何?好きなの!?」

それは初めて知った。静雄先輩、ついにモテ期到来?なんで今までモテなかったのか不思議だよ。みんな静雄先輩のことをよく知らないから怖がってるんだろうな。これから静雄先輩のいい所が広まっていくのは嬉しいことだね。私は親友の恋を応援しよう。

「え〜、まさかぁ〜。あたしは佳奈一筋だよ。」
「気持ち悪い。」「打倒折原先輩!」

あの掛け声はこいつだったのか。
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