school life
□第4話
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「本当に寝てたね。」
「ちゃんと寝るって言いましたよ。」
あらかじめ言っておいたのに無理に映画なんかに誘うのが悪いんだ。
「楽しかったね〜」「厭味ですか?」
「寝顔可愛かったよ」「それはどうも。」
先輩が可愛いを連発するからもう馴れちゃったよ。最初は一々照れてたけど、なんだか感動が薄い。
「次どこ行く?」
「先輩が行きたい所でいいですよ」
「え」
「どうしたんですか?」
先輩が急に間抜けな声を出すからついに頭が狂ったかと思った。どうしたんだろう。
「いや、『映画見るだけじゃたいんですか?』って言われるかと思って。」
先輩の中で私は相当愛想がない人種になっているらしい。
「その方がいいですか?帰っちゃいますよ?さようなら。楽しかったです」
「待って待って」
後ろを向いて歩きだした私の手を先輩がつかんだ。
「怒んないでよ」
「怒ってませんよ。ただ機嫌が悪いだけです。」
「怒ってんじゃん。」
臨也先輩にどんなふうに思われてても、関係ない。だって、先輩は人間ならみんな好きなんだもん。私がこんなことで怒るわけない。
「怒ってないですよ〜。」
「カフェ行こう。ケーキ奢るから!」
「喜んで。」
必死になってる先輩が面白い。普段へらへらしてるからね。今すごく貴重な一面を見たよ。