school life
□第5話
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断言できる。私にはコツコツ努力するなんて向いてない。でも、その努力が一番必要なのが勉強。何か恨みでもあるのか、先生はいつだって私を補習送りに…、私の努力不足ですね。すみません。
「はぁ〜」
「溜め息つくなんてらしくないね。」
「うわっ!新羅先輩!」
臨也先輩と会わなかったから一人で校門を出たら、突然新羅先輩が出てきた。神出鬼没な人だ。
…私から四字熟語が出てくるとは思わなかった。もしかして、新羅先輩がいるから?
「先輩!是非私に神の恵みを!」
「えーっと、頭大丈夫?」
先輩にそんなことを言われるとは心外だ。でも的を射ているから何も言い返せない。
「暗記をすぐに出来る方法を教えて下さい。変な薬とか持ってそうですし。」
「残念だけど私は四次元ポケットからへんてこりんなグッズを出すタヌキじゃないんだ。暗記は自分でコツコツやって。」
「そうですねー。あと、タヌキじゃなくて猫です。」
暗記だからしょうがないか。
「数学とか物理とかだったら教えてあげられるよ。」
「いいんですか?お邪魔します。」
「家に来ていいとは言ってないよ。」
セルティさんとまた会えるよ!やる気が出てきた。セルティさんがいてくれればなんでも出来る気がする。
「今から行きます!」
「いや、家に来ていいとは言ってないってば。」
「佳奈ちゃ〜ん。浮気するの?新羅、俺も行くよ。俺の佳奈ちゃんを口説くな。」
「あ、臨也先輩。」
なんというタイミング。これで私は二人の先輩から勉強を教われる。
「口説いてない上に家にも呼んでない。」
「行こう、佳奈ちゃん。」
「はーい。」
「呼んでないのに!ああ、もう!」
新羅先輩が何か言っているけど私と臨也先輩が先を歩いているから何て言ってるのか聞こえない。セルティさんと会えることで有頂天になっている私はいつの間にか臨也先輩と手を繋いでいたことに玄関で気付いた。
まずいな。私、静雄先輩並に単細胞かも。