school life

□第12話
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「佳奈ー!トリックオアトリート!」
「うん、来ると思ってた。」

翌日登校すると、案の定親友が菓子をたかってきた。

「はい、クッキー焼いて来たよ。」

ポンと袋を渡すと、親友は驚いた顔をした。

「マジで!?佳奈の事だから『え?何のこと?』ってキョトン顔で言いながら首を可愛く傾げるものだと思ってネコミミ用意して来たのに!」
「声真似気持ち悪い」

ツッコミ所が満載すぎて何を言えば良いのか解らない。で、『ネコミミ』と聞いたクラスメイトみんながギラリと目を光らせて私を見たのは現実?

「え!?鈴木さんネコミミつけるの?」
「見たい見たい見たい」
「絶対似合うよ!」「俺も見たい」
「ちょ、鈴木困ってる」
「黙れ」「お前だって見たいだろ」「打倒折原先輩!」

あ、私って実はクラスの人気者だったんだね。廊下を見れば騒ぎを聞いた先輩方でいっぱいになっていた。怖い怖い。親友がドカンと音を立てて椅子の上に立った。

「あんた達勘違いしちゃ駄目よ、佳奈はあたしの嫁だっ!」

ちょっと待て。

「何言ってんだよ!みんなの鈴木だろ!」「独り占めはずるいよ〜。」
「ちょ、落ち着けよ、鈴木困って」
「黙れ」「お前だって嫌だろ」「打倒折原先輩」

あんたらこそ落ち着け!と言ってもみんなに聞いてもらえない。じゃあ逃げよう。

「ちょ、ここ3階!」
「照れすぎ!」

廊下は駄目なので、窓から逃げることにした。私はみんなより運動神経がいいから大丈夫。窓枠やらフェンスやらを伝って降りれば怪我は擦り傷程度で済むし、スパッツはいてるからパンツは見えない。

「あぁーーッ!鈴木!」

みんなが窓から私を見下ろす頃には既に一階についていた。さすがは私!逃げ足だけは速い。これも生き延びるには必要なことだ。

「ふぅー」
「で、ネコミミは?」
「ひえっ!?」

登校中だった臨也先輩にまで騒動が広まってるって、おかしいでしょう。誰だ教えたの!
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